同志社女子中学の入試結果が公表されましたので考察します。
2023年1月14日(前期)15日(後期)に行われました。
前年は一昨年(激戦)の揺り戻しもあり、志願者が激減しました。
今年は反動で盛り返したのでしょうか?
それとも減少の道を辿ったのでしょうか?
来年を見据えて考察していきます。
2023年度前期入試 受験者数・実質倍率
関関同立系で唯一の女子校、同志社系で唯一コース制をとっています。WRコースとLAコースで偏差値5ptぐらいの差があり、前期試験と後期試験でも約5ptの偏差値差があり、前期のLAと後期のWRでは最大で約15ptの偏差値差になります。
それでは、2023年度の受験者数・実質倍率がどうなったかを見ていきましょう。
[ ]内の数字はWRコースからの回し人数です。
( )内の数字は前年比です。
WRコースからの回しがあるため、数字がごちゃごちゃしていますので、「実質倍率」と「合計」だけ見てもらえればいいです。
コースはともかく同志社女子中学に入学できる数値と思ってください。
前期 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
WRコース(約25名) | 106(+6) | 103(+10) | 27(-1) | 3.8(+0.5) |
LAコース(約135名) | 257[79](-13) | 251[76](-7) | 135[45](-6) | 1.9(+0.1) |
合計 | 284(-15) | 278(-9) | 162(-7) | 1.7(±0) |
ん?えーっと?
前年が志願者激減でかなりラッキーな年だったため、今年はガッツリ上げてくるかと思っていましたが、ほぼ前年並みでしたね。
もともとはコレぐらいの倍率でしたし、それほど驚くことでもないのですが、ここ数年はとにかく勢いが凄かったので拍子抜けしてしまいましたw
完全に平常運転に戻ってますね。
人気が落ちたというわけではなさそうです。
「過熱気味だった状況が落ち着きを取り戻した」という表現がピッタリくるかと。
他の同志社系列校と比較しても偏差値もそこそこで将来同志社大学に進学することを考えるとオイシイ学校と言っていいのではないでしょうか。
競争率もトータルで2.0倍を切ってますからね。
首都圏でこのレベルの大学に進学できる付属校に入学しようとすると、かなりの偏差値が要求されます。
難易度や競争率を基準にすると関大一中に近いと思っています。
※同志社女子中学・高校は同志社大学に進学する学校です。同志社女子大学に進学する生徒は、同志社大に進学できないのではなく、自らの意志で進学しているようです(薬学や看護、学芸など)。
2023年度後期入試 受験者数・実質倍率
はい、後期試験を見ていきましょう。
試験日が統一日の翌日ということもあり、同校前期入試そして他校もまだ合格発表が行われていない学校がほとんどですので欠席者も少ないですね。
[ ]内の数字はWRコースからの回し人数です。
( )内の数字は前年比です。
後期日程もWRからLAへの回しが多すぎてわけがわからないので、コースに関係なく同志社女子中に入学したいという目的であれば、前期と同じく合計と実質倍率だけ確認していただければと思います。
後期 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
WRコース(約5名) | 196(+6) | 181(-5) | 37(±0) | 4.9(-0.1) |
LAコース(約20名) | 368[159](±0) | 349[144](-7) | 120[69](-5) | 2.9(+0.1) |
合計 | 405(-1) | 386(-7) | 157(-5) | 2.5(+0.3) |
は?
後期も気持ち悪いぐらいの落ち着きっぷりです。
あの後期ですよ?
毎年、だいたいカオスになって阿鼻叫喚するのがお約束の後期なのに、志願者の増減が1桁って…。
こんなの後期試験じゃないっ!
考察するところがほとんどないですねw
WRコースは2年ほど前まで約50名ほど合格者が出ていたのですが、今年も前年に続いて合格者をそれほど出しませんでした。
後期とはいえWR合格からの辞退者が以前より減ってきているのかもしれませんね。
もしくは自己推薦・前期入試の合格者数との兼ね合いか。
総合的には、前年からほとんど変化のない後期試験になりました。
後期入試かつ実質2.5倍で同志社ということであれば、まだまだ魅力的な入試日程に思えませんか?
とはいえ、後期はチャレンジ組や併願抑え組も入り混じり、年度によるバラツキが発生しやすい状況になりやすいので注意してください。
前期と後期でハードルの高さにかなり差があるので、慎重に受験日程を組みましょう。
第一志望ということであれば、やはり前期で決めてしまいたいですね。
あと、下記のような統一日から4日間「なにがなんでも同志社プラン」は偏差値が拮抗していますので、かなり余裕がないと危険です。
同志社中or同志社香里(前期)→同志社女子(後期)→同志社香里(後期)→同志社国際
2023年度前期入試 平均点・合格最低点
次に受験者と合格者の平均点と合格最低点を見ていきます。
まずは前期から。
配点はWRコースが国語と算数が150点満点、理科と社会が100点満点の合計500点満点、
LAコースは四教科すべてが100点満点の合計400点満点です。
平均点 | 国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合計平均点 | 合格最低点 |
WR受験者 | 96.2(-11.3) | 101.5(-9.1) | 63.5(+4.6) | 65.6(-7.0) | 330.0(-20.4)/500 | 375.5(±0) |
WR合格者 | 114.6(-6.1) | 127.6(-2.8) | 77.6(+10.8) | 75.7(-3.8) | 402.4(+2.3)/500 | 375.5(±0) |
LA受験者 | 62.2(-6.3) | 60.7(-5.0) | 59.1(+4.6) | 63.3(-5.9) | 246.6(-11.5)/400 | 242.0(-11.3) |
LA合格者 | 66.3(-5.9) | 68.9(-5.4) | 64.5(+4.6) | 67.8(-6.4) | 269.7(-11.5)/400 | 242.0(-11.3) |
今回は前年から受験者数がほぼ変わっていません。
受験生のレベルがそれほど変わっていないとすると、理科以外は軒並み難化したようです。
WRは理数系女子が多いのか、国語の平均点が下がり、理科の平均点が上がっています。
特に理科の合格者平均はエグいですね。
合格最低点は前年と同じなので、問題レベルが上っても上位層はそれほど崩れなかった、もしくは理科でリカバリーしたように見えます。
問題レベルが上っても得点率75%を超える戦いなので、厳しいことには間違いありません。
LAは上がった問題レベルに対して、粘り強く失点を防いだ受験生に桜が咲きました。
合格最低点もそれなりに下がってますので、難度に比例した妥当な結果と言えるでしょう。
LAであれば受験者平均点をクリアすれば合格なので「この受験生の中で半分までに入るぞ!」という目標が子供にとってわかりやすく、モチベーションを維持するのに使えそうです。
実質倍率が2.0倍を超えるまでは、受験者平均をコンスタントに超えるための取り組みで良さそうですね。
2023年度後期入試 平均点・合格最低点
次に後期。配点は前期と同じです。
平均点 | 国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合計平均点 | 合格最低点 |
WR受験者 | 115.8(+9.4) | 113.5(-2.2) | 65.8(+0.9) | 67.9(-7.9) | 370.2(+6.7)/500 | 417.0(+7.0) |
WR合格者 | 130.4(+3.6) | 141.7(+0.3) | 79.1(2.2) | 77.8(-7.0) | 439.3(+6.1)/500 | 417.0(+7.0) |
LA受験者 | 74.7(+4.7) | 65.5(-4.6) | 61.1(+1.2) | 65.5(-6.3) | 271.4(-0.8)/400 | 287.0(+3.0) |
LA合格者 | 80.0(+3.2) | 82.0(+0.7) | 68.8(+1.2) | 72.7(-5.9) | 309.2(+3.7)/400 | 287.0(+3.0) |
受験者の増減もほとんどなく、平均点の増減もそれほどない前年並の結果ですね。
強いて言うなら社会が1割ほど難化し、国語がわずかに易化したかなと言う程度。
取り立てて強調する項目はありません。
これも毎年言っていて耳タコかもしれませんが言わせてください。
「WRの合格者平均がエグすぎるって!」
国語で8割8分、算数に至っては9割4分って…。
最高点ではなく合格者37名の平均点が1問か2問ミスということです。
失礼を承知で言いますが、国語と算数はもう少し問題レベルを上げた方が良くないですかね?
満点の受験生もたくさんいそうですし。
合格最低点も軽く8割は必要ですから、わからない問題は仕方ないとしても、ミスはできません。
次にLAですが、WRの数字を見た後だと心がとても落ち着きます。
戦場における一種の清涼剤のような存在です(意味不明)。
合格最低点が約7割という絶妙なバランス。
できれば7割で合格させて欲しいところですが少し足りません。
WRは当然として、LAでも算数が苦手だと後期はちょっと厳しいかなぁという印象はあります。
まとめ
2023年度 同志社女子中学の入試をまとめます。
- 前期入試・後期入試ともに受験者数が前年比でほとんど変化のない珍しい年になった。
- 今回は反動で志願者が増加すると思っていたが、予想に反してわずかに減少した。
- 前期の問題レベルが少し上って平均点が下がった。
- 前期の問題レベルが上がったが、WRの合格最低点は下がらなかった。
- 後期は受験者数・平均点ともに前年に近い数値。
- 後期の合格者平均点が毎年のことながら恐ろしい数値になってる。
前期の問題レベルが少し上がりましたが、総じて前年に近い入試だったと感じています。
(一応、昨年の考察は当たったw)
一昨年の異常からは一旦落ち着いた感が出てきて、ある意味で対策しやすくなったのではないでしょうか?
同志社女子は良問が多いので、地道にがんばった受験生が報われやすく、個人的に好感を持っていますから、いい意味で今後も変わらないことを期待しています。
いずれにせよ同志社女子を受験できるのは女子の特権ですから、共学にこだわりがなければ、本当におすすめの学校です。男子受験生の保護者からすれば、羨ましい限りですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。