初芝立命館中学校は立命館大学の附属校(立命館、立命館宇治、立命館守山、立命館慶祥)ではありません。提携校のような位置づけです。
それでも、学校名に「立命館」と冠しており、立命館コースは立命館大学への進学率が高いので取り上げてみました。番外編ぐらいに考えてください。
学校紹介(校長)
学校長からのお話によると、もっとも大事にしていることは「心を育てる」ということ。
そのためにいろんな行事を用意している。クラスや仲間と団結する機会をたくさん用意しているとのこと。
要点だけの手短な話でした。
学校説明(常務理事)
この常務理事は立命館宇治で校長を務め、国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)を取り入れたり、立命館慶祥の校長も務めた人物です。
しっかりと時間をとった講演で、話を聞いていて、かなりやり手の印象を受けました。
変化を好み、新しいことを躊躇なく取り入れるタイプです。
よくある退屈な学校説明ではなく、グッと引き込まれるような話でした。
例をあげると…、
- 中学校から中間テストをなくした話
- 脳の発達でいうと最終段階のこの時期に何をすべきかという話
- 今までの英語教育がまちがっているという話
- 英語は左脳ではなく右脳で学ぶという話
- 英語が聞き取れないのは、日本語と周波数帯がちがうからという話
- 何のために勉強するのかという話
- 否定形で怒ってはダメという話
- 結婚するとかしこくなるという話
盛りだくさんすぎて、一話ずつ文字に書き起こすのは大変ですね。メモはとっていますが勘弁してください(笑)。
おそらく次年度もお話されると思いますので、受験校として候補に上がるなら、足を運んで損はないと思いますよ。
いずれにしても、これからこの学校はいい方向へ変わっていくじゃないかと予感させるような講演でした(今が悪いとは言ってません)。
コースについて
初芝立命館中学には3つのコースがあります。
・アドバンスト立命館コース
・立命館コース
・セレクトアカデメイアコース
一つずつ特徴を説明します。
アドバンスト立命館コース
理系授業を中心として、少人数制かつ先取学習に取り組むコースで、理系難関国公立大学や医歯薬系大学への進学を目指します。
募集は20名となっていますが、学年によっては10名以下です。
もはや塾や個別指導の域かと。そういった環境の方が集中できて好きだという子供には良いかもしれませんね。
このコースが開設されてから、まだ卒業生が出ていませんので進学実績がありません。
ですから、コメントのしようがないのですが、個別相談で聞いた先生の話によると、2,3名は難関国公立大(おそらく京大、阪大レベル)の模試判定でA判定をとれているとおっしゃっていました。
ですが、このブログでは、あまりこのコースを推しません。
本当に難関国公立理系や医歯薬系の大学を目指すのなら、それに特化した進学校があるからです。
とはいえ、私立には「家から徒歩や自転車で通学できる」「保護者がその学校の卒業生」など、自身の偏差値に関係なく、入学する突き抜けた存在が一定数いますから、そういう生徒にはいい環境かもしれませんね。
立命館コース
立命館大学の教育に対応し、自主性・表現力・解析能力を育てるコースで、立命館大学・立命館アジア太平洋大学への進学を目指します。
大学付属系の教育ですね。
中高大の10年一貫教育で受験のための教育ではなく、「真の学び」を実践するコース。
直近三年間の立命館大学への進学率は約90%、昨年は106名(衣笠41名、茨木19名、草津46名)が進学されており、立命館アジア太平洋大学へは5名が進学されています。
提携校推薦される可能性はかなり高いです。
目標が立命館大学への進学と考えるならば、中学校入学時の偏差値を考えるとかなりお得感があると言えるのではないでしょうか。
ただ、一つ注意してほしいのは中学を立命館コースで入学した場合、勉強せずに遊びすぎると進級時に下のコースに落とされます。20名ほど落とされた年もあったようですので、入学後も普通に勉強しましょう。
高校へ立命館コースで進学すると、コース落ちはしないとのことです。
セレクトアカデメイアコース
うーん、あまりおすすめしません。
立命館大学への推薦枠はありません。具体的な進学先を先生に質問すると、関関同立へは一般入試で片手ぐらい、がんばって産近甲龍で良しとするぐらいのようです。
このコースで入学するなら、高校へ上がるまでに猛烈にがんばって立命館コースに変更できるレベルになっておくのが得策です。
高校に上がってしまうと、コース変更はできませんので。
給食
この学校は給食があります。
親にとっては助かります。お弁当を作らないといけない学校ですと、親の負担もかなりのものになりますしね。
運動部など食欲旺盛な生徒には食堂もあり、単品メニューを追加することができます。2019年9月にリニューアルしたばかりなので、快適なのではないでしょうか。
アクセス
南海高野線 北野田駅(中学校・高校)、近鉄長野線 富田林駅(中学校のみ)、泉北高速鉄道 和泉中央駅(中学校のみ)の三駅からスクールバスが出ています。
オープンスクールや学校説明会、プレテスト、相談会、入学試験など本校で行われるイベントでは最寄駅からスクールバスを出してくれます。逆にいうと少し不便なところにあるということです。
とはいえ、同志社香里中や関学中の最寄駅からの距離はそれほど変わらないですね。
入学するとスクールバス代はもちろん有料ですけどね。
クラブ活動
充実してるとまでは言えませんが、運動部が7クラブ(野球、ソフトテニス、バスケットボール、卓球、陸上、体操、剣道、サッカー)・文化部が5クラブ(吹奏楽、サイエンス、インターアクト、コンピュータ、茶道)あります。
卓球部を体験したことがありますが、とてもやさしく丁寧に教えていただきました。
設備・環境
過去に見学へ行った学校はほとんどが人工芝のグラウンドでしたが、初芝立命館は土のグラウンドでした。
しかし、2020年春ごろに人工芝グラウンドに生まれ変わるようです。
これは在校生も楽しみなのではないでしょうか。
学校自体は桃山学院大学が狭山に移転する前の校舎ですのでそこそこの広さはあります。
この敷地に小学校も併設されていますので、小学校・中学校・高校が同じ敷地で学んでいることになります。それをどう感じるかは各ご家庭で判断してください。
生徒の印象は緊張していたのか、おとなしめのおぼっちゃん、お嬢ちゃんといったところでしょうか。完全に主観ですが。
まとめ
初めてこ初芝立命館中学を知った時は、立命館大学に進学するという目的であれば、オイシイ学校だと思いました。
人気になり偏差値も上がるのではないかと思いましたが、それほどでもありません。
なぜ人気にならないのか、なぜこんなにハードルが低い(日能研R4:40前後)のか不思議なくらいです。普通ならR4で40の他校から立命館大学へ10%も進学できないのではないでしょうか。
関大北陽(R4:37〜43)もハードルは低いですが、90%も関大へ進学できません。
ブースなどで先生ともお話ししましたが、学校をもっと良くしたいという意欲も感じましたし、とても丁寧な対応でした。個人的には悪い印象は一つもないです。
しかし、信じられないくらい入学しやすい。ほんとうに不思議です。
でも、入学を希望されているご家庭には、うれしいことですね。
興味があれば、来春にでも一度学校を訪問してみてください。