同志社中学の入試結果が公表されましたので考察します。
2021年1月16日に行われました。同志社中は統一日午前の一発勝負です。後期試験や二次試験はありません。第一志望として受験する受験生がほとんどです。
2021年度 受験者数・倍率
例年と同じく募集人数は男女で約220名(外部募集)。
入試要項には男女別での定員は設定されていませんが、志願者数・受験者・合格者数・合格最低点は男女別に公表されています。入学者が男女ほぼ同数になるように調整しているようですね。
合格者の男女別割合は男子が約55%、女子が約45%です。全員が入学するわけではないので、辞退者を差し引くと概ね男女同数になりそうです。
では、志願者数・倍率がどうなったかを見ていきましょう。
( )内の数字は前年比です。
募集人数 男女220名 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 |
男子 | 314(+36) | 285(+19) | 148(±0) | 1.9(+0.1) |
女子 | 169(−16) | 154(−24) | 124(±0) | 1.2(−0.2) |
合計 | 483(+20) | 439(−5) | 272(±0) | 1.6(±0) |
総合的に見ると、前年比からあまり変化なし。
しかし、中身は男子増加、女子減少です。
出願者は20名増えてますが、実際の受験者は5名減少という現象。出願して受験しなかった人が44名もいます。
私の感覚ではよくわかりません。同志社中は統一日のみの一発勝負なのでもうチャンスはありません。ダブル出願で同女や立命館を受けたのか、残念ながら体調でも崩したのでしょうか?44名の動向が興味深いです。
男子の競争率1.9倍は妥当な印象ですが、女子の1.2倍(正確には1.241倍)はかなりオイシイのではないのでしょうか。
今年は154名が受験して30名しか不合格者がいません。あの同志社中でですよ?
数字上は5人中4人が合格する計算です。そんなに甘くはないでしょうが、狙う価値は十分にありそうです。
平均点・合格最低点
次に受験者の平均点と合格最低点を見ていきます。
受験形式は「4教科型」と「3教科型(国語・算数・理科)」があります。
3教科型は合計得点の4/3倍が総合点(持ち点)になり、4教科型は「上記3教科合計の4/3倍」と「4教科合計」の高いほうが総合点となります。
国・算・理・社、各40点満点、凸凹なしのフラットな配点です。算数や国語が苦手でも理科・社会で挽回可能な配点です。
ちなみに試験時間は、各教科とも40分なのでご注意ください。
平均点は男女別で公表されておらず、表が寂しいので過去2年も並べて見ました。
( )内の数字は前年比です。
国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合計 | 合格最低点 | |
2021年度 | 28.4(−0.4) | 28.6(+2.2) | 30.3(+1.8) | 29.6(+0.7) | 117.9(+4.4) | 男120(+6.7) 女105(−7) |
2020年度 | 28.8 | 26.4 | 28.5 | 28.9 | 113.5 | 男113.3(+4.3) 女112(+6) |
2019年度 | 24.1 | 28.5 | 28.8 | 26.2 | 109.6 | 男109(−11) 女106(−16) |
3年平均 | 27.1 | 27.8 | 29.2 | 28.2 | 113.7 |
各科目40点満点なのでインパクトのある数値が出てきませんし、変動は小さくみえます。100点満点換算のほうがイメージしやすければ2.5倍してください。さて今年度はというと…、
・国語:ほぼ前年並
・算数:易化
・理科:易化
・社会:やや易化
前提として受験者のレベルが上ってないと仮定すると、3年平均と比較しても、今年はすべての科目で点数が上回っているので、問題が少し易しかったと言えます。とはいえ、受験者レベルが上っている可能性もありますのでご注意ください。
それよりも興味深いのは合格最低点のほうです。
同志社中は受験者平均が合格最低点に近い結果になりやすいのですが、今年は男子と女子で明暗くっきりの年でした。
男子は受験者平均点を取ったとしても不合格、女子なら余裕で合格です。160点満点で男女差が15点。よくある400点満点の入試なら37.5点差。男子なら7割5分、女子なら6割6分の得点率が必要です。これは非常に大きな差だと考えます。
「今年の同志社中の入試はイレギュラーな年」だった。来年以降、どうなるかはわかりませんが、これが私の率直な感想です。
まとめ
2021年度 同志社中の入試をまとめます。
- 受験者数:男子が増加、女子は減少。
- 実質倍率:男子UP、女子DOWN。差が広がる。
- 問題レベルは全体的に前年比で易しかったと予想される。
- 男女で合格最低点に結構な差が出た。
- 安定して受験者平均を上回るような取り組みを心がける(男子はもう一段上を目指す)。
いろんな意味でクセの強い学校です(褒め言葉)。
各教科40点満点だったり、試験時間が40分だったり、理科や社会では塾では習わない分野(マイナーな動植物やアニメ・マンガ)なども一部出題されたり、入試でシャーペンの使用禁止(理由を知りたい)だったりします。
いろんな意味で個性が強いので、過去問以外にもそれに合わせた対策を施しましょう。
特に男子は競争が激しいので、うっかりミス対策にも念入りに取り組んでください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。