同志社中学の入試結果が公表されましたので考察します。
が、今回の考察はほぼ役立たないでしょう。なぜなら次年度からは入試形式が変わるからです。
とはいえ、私は記録としてやりますけどねw
入試は2022年1月15日に行われました。同志社中は統一日午前の一発勝負です。後期試験や二次試験はありません。ですから第一志望として受験する受験生がほとんどです。
2022年度 受験者数・倍率
例年と同じく募集人数は男女で約220名(外部募集)。
入試要項には男女別での定員は設定されていませんが、志願者数・受験者・合格者数・合格最低点は男女別に公表されています。入学者が男女ほぼ同数になるように調整しているようですね。
今年は偶然なのか、男女で合格最低点が同じ点数でした。
では、志願者数・倍率がどうなったかを見ていきましょう。
( )内の数字は前年比です。
募集人数 男女220名 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 |
男子 | 240(-74) | 227(-58) | 138(-10) | 1.6(-0.3) |
女子 | 185(+16) | 175(+21) | 127(+3) | 1.4(+0.2) |
合計 | 425(-58) | 402(-37) | 265(-7) | 1.5(-0.1) |
男子の志願者が激減しています。前年から約3割も減っています。これには少々驚きました。
ここまで減る要素でなんでしょうか?
同志社中の大きなニュースといえば、来年度からの入試形式の変更?
これは今年度の受験生には関係のないことですし、それによって志望校を変えるなんてあるのでしょうか。同志社香里や立命館中学の男子志願者はさほど増えた様子はありませんし…。うーん、よくわかりません。
女子は前年が志願者激減で競争率1.2倍のこれ以上ないくらいラッキーな年度でしたので、今年度の増加はむしろ予定調和といったところでしょうか。同志社女子も前年は激戦でしたし。
それでも競争率1.4倍ならまだまだオイシイと言えます。
総合的に志願者にとっては男子も女子もラッキーな年だったと言えるでしょう。
問題は来年です。
個人的にはデータを一から取り直しなので、分析も考察もあったもんじゃありません。
とはいえ、楽しみでもあるんですよね。
この施策が受験生・保護者に同評価されるのか?来年は同志社中の入試から目が離せません。
平均点・合格最低点
次に受験者の平均点と合格最低点を見ていきましょう。
4教科の考察は今年が最後になります。
繰り返しになりますが、2023年入試から2教科受験(国語・算数)です!
受験形式は「4教科型」と「3教科型(国語・算数・理科)」。
3教科型は合計得点の4/3倍が総合点(持ち点)になり、4教科型は「上記3教科合計の4/3倍」と「4教科合計」の高いほうが総合点となります。
国・算・理・社、各40点満点、凸凹なしのフラットな配点です。算数や国語が苦手でも理科・社会で挽回可能な配点です。
ちなみに試験時間は、各教科とも40分なのでご注意ください。
平均点は男女別で公表されておらず、表が寂しいので前年も並べて見ました。
( )内の数字は前年比です。
国語 | 理科 | 算数 | 社会 | 合計 | 合格最低点 | |
2022年度 | 25.3(-3.1) | 24.7(-3.9) | 30.5(+0.2) | 29.2(-0.4) | 109.2(-8.7) | 男106(-14.0) 女106(+1) |
2021年度 | 28.4 | 28.6 | 30.3 | 29.6 | 117.9 | 男120 女105 |
各科目40点満点なのでインパクトのある数値が出てきませんし、変動は小さくみえます。100点満点換算のほうがイメージしやすければ2.5倍してください。さて今年度はというと…、
・国語:やや難化
・理科:やや難化
・理科:前年並
・社会:前年並
前年との比較ですと、特筆すべきことはないですね。
個人的には、来年以降理科と社会における「あの個性的な問題」がなくなるのが残念ということぐらいです。
合格最低点に関して、直近の3年は男子のほうが女子より数点高かったのですが、今年は男子の合格最低点が前年から14点も下がったため、女子と同点でした。
これは男子の志願者が激減したことに起因したと思われます。
14点という数字だけ見ると大したインパクトはないように見えますが、合計160点満点での14点ですから、400点満点のテストに換算すると35点になります。結構な数字だと思えませんか?
まとめ
2022年度 同志社中の入試をまとめます。
- 受験者数:男子が激減(謎)、女子は微増。
- 実質倍率:男子減少、女子やや増。差が一気に詰まった。
- 問題レベルは全体的に前年並。
- 合格最低点:前回は結構な差が出たが今年は同点だった。
- 安定して受験者平均を上回るような取り組みを心がける(男子はもう一段上を目指す)。
来年はいよいよ2教科受験に移行します。
問題はこれまでの出題傾向が維持されるのか否か。これに尽きると思っています。
問題傾向さえ変わらなければ、対策はできますので、あとは得点率を上げるだけです。
それはそれで得点率が爆上がりしないか心配ですが、傾向がガラッと変わるとなるともっと心配です。
まあ、このあたりは説明会で詳しく話されると思いますので、その時を待ちましょう。
今年は同志社中の動向から目が離せませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント
毎年拝読させていただいております。詳しく考察されており、興味深く読ませていただいています。ありがとうございます。
同志社中の受験者数の推移を見ますと、
男子の受験者数が266(20年度)→285(21年度)→227(22年度)
女子の受験者数が178(20年度)→154(21年度)→175(22年度)
全体の受験者数が444(20年度)→439(21年度)→402(22年度)
となり、2年間で42人も減少しています。
同志社香里の受験者数(前期・男女合計)は
462(20年度)→472(21年度)→513(22年度)
また、同志社女子の受験者(前期合計)は
273(20年度)→359(21年度)→351(22年度)
と同志社香里は2年間で51名増、同志社女子は2年間で78名増とそれぞれ人気を集めています。
同志社中、とりわけ男子がこれだけ受験者数を減らしたのは、昨年度が一昨年度よりも19名増えたことにより敬遠されたのかな、と思いましたが、58名はさすがに減りすぎです。
また、女子も一昨年並に戻った程度です。
香里、女子がそれぞれ順調に受験生を集めているので、同志社中に何か敬遠される要素があると考えるのが順当かと思います。
その最も大きな要素は、同志社中の新型コロナウイルスに対する過剰としか見えない対応にあるのでは、と思います。
2020年の3月~5月に全国一斉休校がありましたが、その年の6月以降、全国の学校は部活動を少しずつ再開させてゆきました。が、京阪神地区の普通科の学校でおそらく唯一、同志社中はそこから2年経とうとする現在まで(現在はオミクロンの感染拡大のため、やむを得ませんが)、対面での部活動を徹底的に制限し続けてきました。
感染状況が落ち着いていた時期も、一切禁止を続けていました。最近は、対面の活動を再開させたようですが、学年別での活動となっているとのことで、先輩に何も指導してもらえない状況です。
同志社中は、もともと部活動の強豪校ではありませんが、気の合う友人と楽しく部活動に取り組みたい、と考える生徒、保護者は多いはずです。男子の受験者の大幅な減少の原因としてこの新型コロナ対応は挙げられるのでは、と考えています。
長文失礼しました。
元保護者さん
とても興味深い考察をありがとうございました。
名門で安定した人気のある同志社中がここまで志願者数を減らした原因がよくわからなかったんですよね。
そこまで徹底した感染症対策をされていたのですね。他校は緊急事態宣言やまん防が出されたら部活を休止するといった感じでしょうか。
入学後、部活を楽しみにしている受験生に敬遠されたのでは?という考察にも、うなづけます。
早く収束、もしくは特効薬が開発されればいいのですが、それまでは学校側が納得できる対策をどう打ち出すか、このあたりが大切かもしれませんね。