同志社香里中学の入試結果が早々に公表されましたので所感を記します。
2022年1月15日(前期)17日(後期)に行われ、コロナ陽性者や濃厚接触者への追試はなく、選考方法としては例年と変わらない内容でした。
今年は前期算数で出題ミス、後期の国語・社会で誤植があり、穏やかでない入試になりました。
2022年度 前期入試 受験者数・実質倍率
同志社香里は入試の結果発表がホントに早いですね。後期日程の翌日には総括し終えて、翌々日(1/19)には公表されていました。
個人的には「香里人気も若干落ち着いてきたのかな?」と感じていましたが盛り返しましたね。
特に女子には例年にはない状況でした。
では、受験者数・実質倍率がどうなったかを見ていきましょう。
( )内の数字は前年比です。
前期 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 | 実質倍率 |
男子(95名) | 262(+8) | 253(+10) | 108(-5) | 2.8(+0.1) | 2.3(+0.1) |
女子(95名) | 272(+35) | 260(+31) | 106(-1) | 2.9(+0.4) | 2.5(+0.4) |
ここ2年は実質倍率2倍前半で落ち着いていたので、「今回もさほど上がる要素はないかな?」と予想していたのですが、謎の女子志願者急増です。息子の受験期から香里を見てますが、女子の志願者が男子を上回った年は記憶にありません。
なぜなのか?
たまたまかもしれませんが、個人的には「同志社女子との兼ね合いかな」と思っています。
昨年の同女は加熱しすぎました。自己推薦入試しかり、一般入試しかり。
R4も2〜3ptも上がり、少し敬遠されたようで今回の出願者数は激減と言っていいほどです。
話を香里に戻します。
女子出願者数の増加により、女子の実質競争率がなんと2.5倍!
ガチで勉強してきた人の中で上位40%に入らないといけません。
これはヤバいやつです。危険水域を超えています。女子のご家庭は面食らったのではないでしょうか?
合格者数は例年とほぼほぼ変わらず、ボーダーに何人が並ぶかによる上下でしょう。
男子は前年並で、このところ競争率は安定していますが、女子にとってはここ数年ではもっとも厳しい前期入試となりました。
(揺り戻しを考えると、来年の前期女子は狙い目になるかもしれませんね。)
2022年度 後期入試 受験者数・実質倍率
( )内の数字は前年比です。
後期 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 | 実質倍率 |
男子(25名) | 487(+13) | 327(+51) | 70(+19) | 19.4(+0.4) | 4.7(-0.7) |
女子(25名) | 451(+11) | 296(+27) | 63(-13) | 18.0(+0.4) | 4.7(+1.2) |
今回は後期の合格者数を減らしてから3年目でしたが、合格者数は50人〜70人ぐらいで推移しています。
もうこれがスタンダードになったと言っていいでしょう。
以前のように100名前後の合格者を出すことはもう期待しないほうがいいですね。
香里は入試終了後にアンケートで他の受験校を記入するのですが、後期入試からの入学パターンが変わってきているのかもしれません。後期合格からの入学希望者が増加していると考えるのが普通でしょうか。
ちなみにこのアンケートは合否に関係ありません。合格者数を何人出すかの目安です。正直に書いて大丈夫です。
今回、後期の出願者数は前年と大きく変わっていませんが、欠席者数が少なく受験者が増加した形です。男子は合格者が前年比で多め、女子は少なめとなっており、最終的に男女で競争率は同じとなりました。単純に前年比ですと男子は易化、女子は難化です。
後期に関しては、前期合格者が抜けたあとの戦いになりますので、併願やチャレンジの要素が強く、年度により大きく変動しますので、香里を志望するなら前期で決めてしまいたいということに変わりはありません。
2022年度 前期入試 平均点・合格最低点
次に受験者と合格者の平均点と合格最低点を見ていきます。
配点は国語と算数が120点満点、理科と社会が80点満点です。
( )内の数字は前年比です。
平均点 | 国語(120) | 算数(120) | 社会(80) | 理科(80) | 合計(400) | 合格最低点 |
受験者男子 | 60.0(-27.5) | 82.2(+8.9) | 53.7(-5.0) | 55.0(-1.3) | 255.5(-27.7) | 263.75(-26.25) |
合格者男子 | 68.6(-25.9) | 94.1(+4.6) | 60.5(-2.0) | 58.7(-2.2) | 286.8(-29.5) | 263.75(-26.25) |
受験者女子 | 63.0(-27.9) | 77.5(+8.6) | 51.1(-5.9) | 53.5(-1.4) | 250.7(-27.6) | 261.0(-26.0) |
合格者女子 | 72.9(-24.7) | 91.6(+4.7) | 55.2(-8.8) | 58.8(-2.1) | 286.5(-29.9) | 261.0(-26.0) |
「国語がめっちゃ難化してるやん!」と感じるかもしれませんが、前回が易しかっただけで一昨年に戻った印象です。前回の国語平均は「+20数点」でしたから。
それにしても極端です。国語のマイナス分がそのまま合格最低点の引き下げに寄与した形になりました。
算数は若干易化したように見えますが、大問6の(3)という最後の勝負どころで痛恨の出題ミスがあったため、全員正解扱い(約7点GET)になりました。
算数が苦手な受験生が得をして、得意な受験生は損をしましたね。合否にどう影響が出たのかまではわかりませんが、配点が大きい部分でしたので残念です。
それにともない、少なからず平均点も上がっているので、総合的には前年並と考えてよいと思います。
算数と国語を比較すると、算数の最高得点は今年も男女ともに満点でした。
対して国語の最高得点は男子97点、女子98点(120点満点)です。
一概には言えませんが、個人的に算数が得意な受験生が有利な印象は変わりません。
理科・社会はそれなりですが、あえて言うなら若干社会が難化したかなという程度ですかね。
総括としては、一昨年の難易度に戻ったというのが前期入試の総合的な印象です。
2022年度 後期入試 平均点・合格最低点
次に後期。
配点は前期と同じく、国語と算数が120点満点、理科と社会が80点満点です。
( )内の数字は前年比です。
平均点 | 国語 | 算数 | 社会 | 理科 | 合計 | 合格最低点 |
受験者男子 | 71.6(-3.3) | 61.7(+1.1) | 57.7(+3.0) | 58.3(-2.6) | )253.1(-2.3) | 286.25(-1.75) |
合格者男子 | 86.2(-1.9) | 86.4(+2.8) | 64.7(+3.7) | 65.5(-2.2) | 307.6(+2.3) | 286.25(-1.75) |
受験者女子 | 75.6(-5.0) | 56.7(-1.7) | 57.1(+5.0) | 57.0(-3.1) | 249.6(-6.9) | 284.0(+7.0) |
合格者女子 | 90.0(-1.1) | 79.2(+3.9) | 66.3(+6.2) | 64.2(-1.4) | 303.2(+5.7) | 284.0(+7.0) |
前年との比較で目立った凸凹はありません。
一昨年あたりから算数の難度が上がりましたが、今回も難しかったようですね。受験者平均は5割前後です。
以前、説明会で算数担当の先生は「受験者平均点60点前後を目標に作問しています。」と仰っていました。狙い通りですから今後もこの難度が続くと考えていいのではないでしょうか。
国語と社会で誤植があったようですが、正答を導くのに影響がないとのことで特別な対応はありませんでした。
後期は特に前年との比較で目立った点はほとんどなかったですね。
まとめ
2022年度 同志社香里中学の入試をまとめます。
- 受験者数:前期女子でかなりの増加、後期も欠席者が例年より少なかったので増加。
- 合格者数:前期は前年並み、後期は男子増加、女子は減少。
- 前期は国語がかなりの難化(前年が易しかったので)。
- 前期算数で出題ミスあり。全員正解で対応。
- 後期は全体的に前年並。
- 後期の合格者数は50〜70人が今後もスタンダードになりそう
- 総合的に前期女子が難化。後期は男子が易化、女子は難化。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。