【考察】2021年度 同志社香里中学 入試結果感想(前期 後期)

同志社香里中学の入試結果が公表されましたので所感を記します。
2021年1月16日(前期)18日(後期)に行われ、コロナ陽性者や濃厚接触者への追試はなく、選考方法としては例年と変わらない内容でした。
引率や順路、応援、保護者控室などは例年と違って、感染症対策が施された入試となりました。
来年以降も今回のモデルが適用されるのかもしれませんね。

2021年度 前期入試 受験者数・実質倍率

ほとんどの受験生が統一日午前に第一志望を受験することが多いと思います。
統一日の朝って特別なんですよね。多くの模試や前受けを経験していても、この日に照準をあわせて来たわけですから、受験生も保護者も緊張MAXです。午後受験や翌日以降はそれほど緊張しなかったことを思い出します。今でも毎年統一日の朝は独特のドキドキがありますね(関係ないくせにw)

では、受験者数・実質倍率がどうなったかを見ていきましょう。
( )内の数字は前年比です。

前期 募集人数出願者数受験者数合格者数倍率実質倍率
男子(95名)254(−3)243(+1)113(+10)2.7(±0)2.2(−0.1)
女子(95名)237(+11)229(+9)107(+2)2.5(+0.1)2.1(±0)

出願者数、受験者数は前年とほぼ同じですね。よって競争率も変わりません。
二年前がピークで、ここ2年は少し落ち着いてきました。
今後も2.0倍前半で推移しそうです。

目につくのは男子の合格者数。久々に110人を超えました。前年より+10人です。
後に触れますが、合格最低点がえらいことになったので同点で並んだのかもしれません。
とすると、後期の男子合格者数に大きな影響を与えた可能性もあります。学校側としては第一志望の子に入学してほしいという配慮かもしれませんね。

女子は受験者数・合格者数ともに前年から変化なしでした。

2021年度 後期入試 受験者数・実質倍率

( )内の数字は前年比です。

後期 募集人数出願者数受験者数合格者数倍率実質倍率
男子(25名)474(−36)276(−64)51(−34)19.0(−1.4)5.4(+1.4)
女子(25名)440(−8)269(−19)76(+7)17.6(−0.3)3.5(−0.7)

今年も合格者数を絞りましたね…。もうこれがスタンダードとなるのかもしれません。
コロナ禍でもあり今年の入試説明会でどういった説明があったのかはわかりませんが、2年ほど前までは説明会でも「後期もそれぞれ100名ほど合格を出しています。毎年30名ほどが前期不合格から後期逆転合格で入学されています。」とアピールされていて、前期後期での出願を強く提案されていました。

しかし一昨年から比較すると、今年の男子合格者数は「104→51名」で約半数、女子は「119→76名」です。これでは前期で残念からの後期で逆転合格はかなり厳しいと言わざるを得ません。それを受験者側が察知したのか、塾側の指導なのか出願数も減少傾向です。特に今年は男子の実質倍率が跳ね上がりました。

香里は入試終了後にアンケートで他の受験校を記入するのですが、後期からの入学パターンが変わってきているのかもしれません。統一日に他校を合格していても後期合格からの入学希望者が増加しているのでしょうか。
ちなみにこのアンケートは合否に関係ありません。合格者数を何人出すかの目安です。正直に書いて問題ありません。

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2021年度 前期入試 平均点・合格最低点

次に受験者と合格者の平均点と合格最低点を見ていきます。
配点は国語と算数が120点満点理科と社会が80点満点です。
( )内の数字は前年比です。

平均点国語(120)算数(120)社会(80)理科(80)合計(400)合格最低点
受験者男子87.5(+24.4)73.3(+4.6)58.7(+4.3)56.3(+4.8)283.2(+41.4)290.0(+38.0)
合格者男子94.5(+22.1)89.5(+4.9)62.5(+1.8)60.9(+3.2)316.3(+35.3)290.0(+38.0)
受験者女子90.9(+20.4)68.9(+3.1)57.0(+5.6)54.9(+3.5)278.3(+33.4)287.0(+34.0)
合格者女子97.6(+16.2)86.9(+8.1)64.0(+7.1)60.9(+3.9)316.4(+34.6)287.0(+34.0)

まあ、なんというか…。固まってしまいました。
全科目で男女ともに前年より平均点がUPしています。受験生のレベルが今年だけ跳ね上がることもないでしょうから、単純に問題が易しかったのだと推察します。

もしくは、コロナによる緊急事態宣言や休校期間を考慮した出題がなされたのかもしれません。でも学校の授業だけで中学受験される方はほぼいないと思いますが。

特に国語は前年が難しかったとはいえ、この平均点の上がり方は普通ではありません。
どんな問題だったのか、気になるところです。
当然、合格最低点も跳ね上がり男子は290点に到達しました。こんな数字は見たことありません。
後期試験の合格最低点かと思うほどです。

今年が特殊だったと思いたいです。合格最低点が7割を超える高得点争いになるとミスをしない受験生が勝ち残ります。ミスをしないことももちろん実力ですが、手応えはあったのに涙をのんだ受験生も多そうですね。この傾向が続くとすれば、おっちょこちょいうっかりさんは来年にむけて早めに手を打っておいたほうがいいでしょう。

とはいえ、競争率自体は変わってませんので、合格ハードルという意味では昨年と同じようなレベルと考えられます。
入試の一発勝負で全科目において7割を得点しつつ、突き抜けた得意科目を1つか2つ持っててミスをしないって…。「どんなスーパーマンだよ!」と、ツッコまざるをえませんね。

とにかく前期入試は「男女ともに呆れるほど高得点争いの入試だった」というのが私の感想です。

2021年度 後期入試 平均点・合格最低点

次に後期。
配点は前期と同じく、国語と算数が120点満点、理科と社会が80点満点です。
( )内の数字は前年比です。

平均点国語算数社会理科合計合格最低点
受験者男子74.9(−3.8)60.6(−10.1)54.7(−5.5)60.9(+6.1)255.4(−13.9)288.0(−9.5)
合格者男子88.1(−2.5)83.6(−11.9)61.0(−5.9)67.7(+7.1)305.3(−10.4)288.0(−9.5)
受験者女子80.6(−2.4)58.4(−5.8)52.1(−5.0)60.1(+6.9)256.5(−5.6)277.0(−10.0)
合格者女子91.1(−2.4)75.3(−14.0)60.1(−6.8)65.6(+5.0)297.5(−18.2)277.0(−10.0)

今年も目につくのは算数。昨年も難しかったのですが、今年はそれを上回る難問が出題されたようです。女子の受験者平均はついに5割を切りました。一昨年からは−16.9点です。

算数以外も国語、社会が難化して平均を下げています。理科だけが異様に易しかったようですね。
それにともなって合格最低点も男女ともに10点ほど下がり、前期の合格最低点より低い数字となりました。このパターンはここ最近では見たことがありません。

同志社香里は例年「前期後期で問題レベルは同じ」と説明会で話されていましたが、この数字を見ていると明らかに前期より難しくしているように思えます(特に算数)

個人的に興味深かったのは「後期試験の算数と社会で満点が出なかった」ということ。
前期も含めて、香里の入試において算数と社会の最高得点は例年満点であることがほとんどです。
逆に国語と理科は満点がほぼ出ません。この点からも今年の後期は例年より算数・社会が難しかったのだろうと思いました。

来年以降、香里を志望する人は算数と社会を意識してみるといいですよ。

まとめ

2021年度 同志社香里中学の入試をまとめます。

  1. 受験者数:前期で前年並み、後期で減少
  2. 合格者数:前期で微増、後期は男子激減、女子は微増(前年が大幅減少のため)
  3. 前期は国語がかなりの易化、高得点争いの原因となった。
  4. 後期は算数がかなりの難化、理科のみ易化。
  5. 後期の合格者数は今年も少なく、男子にはかなりの狭き門となった。
  6. 前期は理科よりも社会、後期は社会よりも理科が易しかった。
  7. 総合的に前年との比較で前期は男女とも前年並、後期は男子が難化、女子は易化。

来年以降、同志社香里を志望校とする受験生のみなさま。
ここ最近の後期試験は競争率も問題レベルも予想しづらくなっています。当然かもしれませんが前期で決めてしまえるように、今はコツコツ努力して積み上げましょう。
今年は旧中庭にメディアセンターが完成します。素晴らしい設備のようなのでそれもモチベーションの一つとしてがんばるといいかもしれませんね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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