同志社女子中学の入試結果が公表されましたので考察します。
2022年1月15日(前期)16日(後期)に行われました。
関関同立系で唯一の女子校、同志社系で唯一コース制をとっています。WRコースとLAコースで偏差値5ptぐらいの差があり、前期試験と後期試験でも約5ptの差があります。
2022年度前期入試 受験者数・実質倍率
では、2022年度の受験者数・実質倍率がどうなったかを見ていきましょう。
[ ]内の数字はWRコースからの回し人数です。
( )内の数字は前年比です。
WRコースからの回しがあるため、数字がごちゃごちゃしていますので、「実質倍率」と「合計」だけ見てもらえればいいです。コースはともかく同志社女子中学に入学するための数値になります。
前期 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
WRコース(約25名) | 100(-10) | 93(-11) | 28(+2) | 3.3(-0.7) |
LAコース(約135名) | 270[71](-75) | 258[64](-75) | 141[41](+5) | 1.8(-0.6) |
合計 | 299(-72) | 287(-72) | 169(+7) | 1.7(-0.5) |
やはり反動が来ましたね。メチャクチャな下がり方です。
コース分けは置いといて、同志社女子に入学するというための実質競争率で見ると、2.2倍から1.7倍に急落です
(※昨年の下記考察のまとめ項目でも今年の志願者減少・競争率低下について言及しています)
「超ラッキー!」と思えるかもしれませんが、これ実は一昨年の数値に戻っただけで、感覚的にはこれくらいが本来の数値に近いと感じています。
それぐらい前年は異常な年度でした。
前年のあの数値をみると躊躇しますよね。わかります。
こうやって中学受験の揺り戻し現象が繰り返されていると感じています。
ということは、来年度は…。
来年以降、志望校としてお考えのご家庭はココを意識しておいた方が良いです。
このあたりで安定してくれると、受験プランも練りやすいのですが。
それでも同志社中学の女子より競争率は高いので、油断は禁物です。
前年の異常事態を除くと、LAコースは他の同志社系列校と比較しても倍率と偏差値もそこそこで、将来同志社大学に進学することを考えると、とてもオイシイ学校だと思っています。
首都圏でこのレベルの大学に進学できる付属校に入学しようとすると、かなりの偏差値が要求されます。
※同志社女子中学・高校は同志社大学に進学する学校です。同志社女子大学に進学する生徒は、同志社大に進学できないのではなく、自らの意志で進学しているようです(薬学や看護、学芸など)。
2022年度後期入試 受験者数・実質倍率
はい、後期試験を見ていきましょう。
[ ]内の数字はWRコースからの回し人数です。
( )内の数字は前年比です。
後期日程もWRからLAへの回しが多すぎてわけがわからないので、コースに関係なく同志社女子中に入学したいという目的であれば、合計と実質倍率だけ確認していただければと思います。
後期 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
WRコース(約5名) | 190(-37) | 186(-37) | 37(-11) | 5.0(+0.4) |
LAコース(約20名) | 368[152](-83) | 356[149](-82) | 125[68](-1) | 2.8(-0.7) |
合計 | 406(-95) | 393(-94) | 162(-12) | 2.2(-0.6) |
後期試験とはいえ、試験日が統一日の翌日ということもあり、同校前期入試そして他校も、まだ合格発表が行われていない学校がほとんどですので、欠席者も少ないです。
WRコースに関して、受験者数が減って易化すると思われましたが、実質倍率が上がっています。
原因は合格者数を減らしたからですね。例年だと50名弱くらい合格者を出します。
今回、なぜ合格者数を減らしたのかはわかりません。自己推薦入試・前期試験との絡みだと予想しますが。
LAコースは第一志望がWRコースの受験生も多く流れ込んでいますが、受験者数・実質倍率ともに急落です。
とりあえずWRコースを志望したという受験生も多く、実態はWRコース志望の149名のうち合格できたのは68名と50%も合格できていません。
ですからLA狙いの受験生は過度にWR受験生を警戒する必要もなく、同条件と認識して挑んでください。
総合的には、前年との比較で易化しました。前々回と比べると、同レベルもしくは若干の易化ぐらいです。
後期に関しても、前年が異常だったと言えるのではないでしょうか?
後期入試で実質2.2倍ということであれば、むしろマシな方とさえ感じます。
同志社香里の前期女子よりも実質倍率は低いですから。
とはいえ、後期はチャレンジ組や併願抑え組も入り混じり、年度によるバラツキが発生しやすい状況になりやすいので注意してください。
前期と後期でハードルの高さにかなり差があるので、慎重に受験日程を組みましょう。
第一志望ということであれば、やはり前期で決めてしまいたいですね。
あと、下記のような統一日から4日間「なにがなんでも同志社プラン」は偏差値が拮抗していますので、かなり余裕がないと危険です。
・同志社中or同志社香里(前期)→同志社女子(後期)→同志社香里(後期)→同志社国際
2022年度前期入試 平均点・合格最低点
次に受験者と合格者の平均点と合格最低点を見ていきます。
まずは前期から。
配点はWRコースが国語と算数が150点満点、理科と社会が100点満点の合計500点満点、
LAコースは四教科すべてが100点満点の合計400点満点です。
平均点 | 国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合計平均点 | 合格最低点 |
WR受験者 | 107.5(+9.5) | 110.6(-1.5) | 58.9(-5.1) | 72.6(+0.7) | 350.4(+3.5) | 375.5(-2.5) |
WR合格者 | 120.7(+9.4) | 130.4(-2.8) | 66.8(-8.3) | 79.5(±0) | 400.1(-1.6) | 375.5(-2.5) |
LA受験者 | 68.5(+8.2) | 65.7(+0.3) | 54.5(-3.3) | 69.2(+2.6) | 258.1(+7.8) | 253.3(-4.0) |
LA合格者 | 72.2(+5.3) | 74.3(-3.7) | 59.9(-4.9) | 74.2(+1.8) | 281.2(-2.7) | 253.3(-4.0) |
前年、難易度をかなり上げた国語の問題レベルを下げてきたようです。受験者数が減ったにもかかわらず平均点がそこそこ上がってますね。理科も少し難しくなっています。
総合的にはバランスのとれた問題レベルと言えそうです。
LAだと受験者平均点をクリアしていれば合格というのも、「受験生の中で半分までに入るぞ!」という子供にとってはわかりやすいボーダーですし、モチベーションを保つには良い目標です。
合格最低点も得点率6割5分未満ですし、挑戦しやすい条件です。
WRコースはやはり最低でも7割が必要になってきますね。
なにがなんでもWRという人は、それに応じた取り組みが必要になります。特に算数の合格者平均は8割5分を超えています。おそらく2,3問間違えまでですかね。個人的には恐怖でしかありません。
2022年度後期入試 平均点・合格最低点
次に後期。配点は前期と同じです。
平均点 | 国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合計平均点 | 合格最低点 |
WR受験者 | 106.4(+5.1) | 115.7(-0.7) | 64.9(-9.1) | 75.8(+7.7) | 363.5(-2.6) | 410(-11.9) |
WR合格者 | 126.8(+6.0) | 141.4(+2.8) | 76.9(-11.9) | 84.8(+8.6) | 433.2(-2.1) | 410(-11.9) |
LA受験者 | 70.0(+5.2) | 70.1(+0.1) | 59.9(-6.7) | 71.8(+7.2) | 272.2(+1.1) | 284(-12.0) |
LA合格者 | 76.8(+4.9) | 81.3(-2.0) | 67.6(-13.4) | 78.6(+6.6) | 305.5(-10.3) | 284(-12.0) |
後期も前年に難易度を上げた国語の問題レベルを少し下げた形跡が見られます。
算数は難易度変わらず。理科と社会は明暗くっきり!
理科は前年が易しすぎたので、ガツンと難易度を上げてきました。
注目は社会。理科の平均点よりも約10点ほど高い数値です。
今回はがんばって4教科を勉強してきた受験生が報われた形になりました。
全受験者でいうと、合計平均点は前年とさほど変わりなし。実質競争率が下がった分、合格最低点も下がったように見えます。
後期入試のWRで8割、LAだと7割強と考えると妥当かつ、良いバランスだと感じました。
ただ算数と社会の合格者平均がヤバすぎるとは思ってますが…(汗)。
WR算数のこれって1問間違いぐらいですよね?得点率95%ですもの…(ありえない)。LAでも8割超えですから算数が苦手だと後期はちょっと厳しいかなぁという印象はあります。
まとめ
2022年度 同志社女子中学の入試をまとめます。
- 前期入試・後期入試ともに受験者数が前年比で激減!警戒されすぎたか?
- 受験者数は一昨年の数字とかなり近い。前年を例外と考えてもよさそう。
- 前期後期ともに前年上げた国語の問題レベルを下げた。
- 後期は理科が難化、社会が急激な易化で3教科受験は不利になった。
- 合格最低点は受験者数減少にともなって、下に引きづられた。
- 後期の算数と社会の合格者平均点が恐ろしいことになってきた。
前年からはずいぶん易化したように見えますが、一昨年のボーダーに戻った感があります。
昨年2,3pt上がった結果R4が今年はどのように評価されるのか楽しみでもあります。
今年の受験者数の減少は予想しやすかったと思いますが、来年はどうでしょうか?
今年より易化することはないと思いますが、「今年と同程度」なのか「昨年のように難化するのか」。
「今年と同程度」なら昨年だけがたまたま異常だったということで片付けられます。
「昨年のように難化」となれば、揺り戻しになりますので、しばらくは難化と易化を繰り返すことになるかもしれません。
ポジションをとるなら個人的には「今年と同程度」と予想します。
これが同志社女子の本来の姿であって欲しいという希望も込めて。
いずれにせよ同志社女子を受験できるのは女子の特権ですから、共学にこだわりがなければ、本当におすすめの学校です。男子受験生の保護者からすれば、羨ましい限りですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント
いつも参考にさせていただいております。
すみません、受験者平均、合格者平均共にLAの数値が間違って記載されているようです。。
shihoさん コメントありがとうございます。
そして、ご指摘ありがとうございました。
校正を怠ってしまいました。
修正いたしましたので、よろしくおねがいします。
申し訳ございませんでした。