【レビュー】同志社中学編(同志社系列中高合同説明会)

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2019/10/6 この日はAP大阪梅田茶屋町で開催された「同志社系列校合同説明会」に参加してきました。4校というボリュームですので1校ずつレビューしていきます。

まずは、通称「同中」とか「岩倉(所在地由来)」と呼ばれている同志社中学校です。

特色

出典:同志社中学校

同志社系列なので、教育理念として「自由主義」「国際主義」「キリスト教主義」は他系列校と同じです。

ただ、ちょっと個性的と言うか突き抜けすぎてて、保守的なご家庭にとっては想像を超えてくるでしょう。

1時間目から6,7時間目まで自分の席で授業を受けるような普通の学校をイメージしていると、度肝を抜かれます

とはいえ、いち早く自立した大学生になれそうな気がしますし、社会に出て役に立つ人材になれそうです。

全体的な印象は、小さな大学に通うイメージですかね。

ノーチャイム制

同志社中はチャイムが鳴りません。信じられます?
ですから、生徒自身がタイムマネジメント、スケジュールマネジメントをしなければなりません。

ノーチャイムの導入にあたっては、先生が生徒を不安視していたようですが、逆に先生が授業に遅刻して生徒にツッコまれる事態になったとか。

中学生が次の予定から逆算して行動するということです。
自己管理できるということは、社会人になっても大事なことなので、学生時代から主体性が身につくと考えれば、いい環境かもしれませんね。

教科センター方式

普通は○年○組というクラスがあって、その教室に先生が移動してきますよね。
同志社中は生徒が教科ごとの教室に移動して、教科専用教室で授業を受けます。

先生は教科に合わせた教室にして、生徒が入室すると、その教科の脳にスイッチが入るように工夫うされていて、数学なら数学っぽい教室。英語なら英語っぽい教室にしているそうです。

大学のようなシステムですね。

ホームベース

教化センター方式によりクラスの教室がない代わりに「ホームベース」と呼ばれるロッカールームのようなものがそれぞれのクラスに割り当てられています。

サッカーやラグビーでよくあるクラブチームのロッカールームをイメージをイメージしてください。

登校すると、まずホームベースにある自分のロッカーに荷物を入れ、教科専門教室へ移動し、授業を受けるというスタイルです。

朝礼や終礼、自主学習、話し合い、学園祭準備などは隣接した教科専門教室で行うようです。

メディアスペース

専門教室に隣接している共有スペースのことです。
それぞれの教科に関する手作りの教材や展示物、生徒の作品がディスプレイされ、他者への興味や好奇心を引き出すしくみになってます。

その他、廊下や階段などにも作品や展示物があふれていて、移動中でも目に入るように工夫されており、常に新しい学びを意識するようになっています。

メディアセンター(図書館)

蔵書数は40,000冊。全国トップレベルです。
しかも、これ中学生専用図書館です。高校の図書館はなんと80,000冊の蔵書です。

ラインナップも普通の書籍だけでなく、雑誌・漫画・ノートパソコン・IPadも取り揃えられていて知的好奇心をくすぐるようになってます。

また、専門教室を移動する際にメディアセンターを通るように配置されているので、いやでも目に入りますので、気になったらすぐ手に取ることができます。

学校が博物館

同志社香里もそうでしたが、教科書やネットの知識だけでなく、本物に触れるということを大切にしていますね。

剥製や標本、すべて本物です。生徒たちは本物の骨などに触れて何を感じるのか。
興味深いです。

約8,000点の動物(哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類・貝類)の剥製・骨格標本が収蔵展示されている同志社標本館。まさに学校内にある博物館ですね。すばらしい。

出典:同志社中学校

入試について

このような個性的な学校なので。入試も個性的です。
一教科40点満点✕4の160点満点。ここでも個性を出してきます。

100点満点でなくとも、150点、120点、50点でなく、なぜ40点満点なんでしょうか??
もうわけがわかりません。

問題に関しても理科や社会は、中学受験塾のテキストには載っていないような問題も普通にでます。理科の動物ならカンガルー、カメレオン、エリマキトカゲ、フグやラッコなどなど。

社会なら漫画やアニメ、絵本からの出題もありますし、日本では輸入比率が高い大豆(植物の図)のイラストを選択させられたりします。理科なのか社会なのかわかりません

長めの導入文で身構えていたら、読まなくても設問は解けたりしますし、市販の過去問だと著作権の関係で本文、導入文、イラストが載ってなかったりで、対策するにも一苦労です。
ですから、塾の情報を思いっきり利用してください。

アニメですと「はだしのゲン」「火垂るの墓」「ガラスのうさぎ」「この世界の片隅で」のタイトルと作画の組み合わせ問題

戦争や原爆がらみの問題ですが、もうなんていうか塾に通って受験勉強してきたことが報われないのではないかと、個人的には心配になりました。

もちろん、そのような問題ばかりではありませんよ。一例です。

まあ、雑学のような問題も出るということです。よく言えば、いろんなことに興味を示す幅広い知識をもった子を望んでいるとも言えます。

国際交流プログラム

毎年10本以上のプログラムが用意されており、毎年100人以上が海外へ飛び立ち、本物のグローバル体験しています。期間も3〜4日の短期のものから2ヶ月間の長期のものまで幅広いですね。
費用がどれくらいかかるのかはわかりませんが…。

また国内でもイングリッシュキャンプや国際教養大学への国内留学なども行っていて、英語力強化を図るプログラムがかなり充実しています。

英語大好きな女子などには最高の環境です。

学びプロジェクト

授業以外の任意のプロジェクト。120以上のプロジェクトが企画されています。
どれも魅力的かつ、数が多すぎて抜粋して紹介することができません!
ぜひ公式HPでご確認ください。

出典:同志社中学校

クラブ活動

24のクラブが活動していますが、話は少なめでした。
かなり駆け足のプレゼンでしたが、盛りだくさんすぎて、30分では紹介しきれなかった様子です。

公式HPでもクラブ活動のページはカテゴリーとしてありませんし、サイトマップにも見当たらず、たどり着きづらいので貼っておきます。
同志社中クラブ活動

学校側はあまり前面に出してきませんが、整った環境の運動部は言うに及ばず、文化部もかなり充実している様子です。クラブ活動に関しては、学校を訪問して見学したほうがいいでしょう。

アクセス

ご存知の通り京都市営地下鉄「国際会館」駅から徒歩0分の立地です。
ほぼ直結で繁華街を通るわけでもなく、安心して通学させられます。
所要時間は京都駅から約20分、大阪駅から約60分が目安になります。

平均通学時間はパンフレットでは90分ですが、HPでは70分になっています。
遠方からの通学者も多いですね。
愛知方面から新幹線通学も普通にいらっしゃいます。

まとめ

出典:同志社中学校

疲れてきたので、そろそろまとめます。

控えめに言って、素晴らしい学校です。
机上での勉強だけでなく、自らが思考して行動して評価して改善して、また思考して…。
学校生活でPDCAサイクルをまわせていると思いました。

進学先はあたりまえですが、同志社大学が約85%です。
基本的に同志社系列は同志社大学へ進学するための学校です。
特進クラスや外部受験クラスがあるわけではありません。

15%は医歯薬系や、国公立、早慶などに進学されていますが、偏差値至上主義のご家庭には合わないと思いますのでご注意を。

積極的な子、自分の意見を言える子、自己管理できる子、好奇心旺盛な子などには天国だと思います。逆の場合は慎重に見極めたほうがいいかもしれませんね。

世の中には、様々なご家庭の価値観があると思います。
学力向上を追及してテストで良い点を取る人間になってほしいのか。
いろいろな経験をして社会に出て役に立つ人間になってほしいのか。

単純な二択では収まりませんし、どちらが良いとか良くないとかの話ではありません。
どちらかを批判するつもりもありませんし、どちらも立派です。

ですが、後者の価値観なら間違えなくおすすめです。