関西大学第一中学の入試結果が公表されましたので考察します。
2020年1月18日に行われました。関大一中は統一日午前の一発勝負です。後期試験や二次試験はありません。第一志望として受験する受験生がほとんどです。
2020年度 受験者数・倍率
募集人数は約240名。
志願者数、合格者数は男女別に公表されていますが、合格は男女の区別なく成績上位者から合格を出していくシンプルなスタイルです。男子の受験者が多い傾向にありますが、特に気にしなくてOKです。
合格最低点さえ超えれば性別は関係ありません。指標は一つなので、それを超えるだけ。
トータルの出願者数と競争率だけ気にしていればいいです。
受験形式は「2教科型(国語・算数)」と「4教科型」があります。4教科型は「(国語+算数)✕2」の点数が高ければ、そちらが得点となります。
では、志願者数・倍率がどうなったかを見ていきましょう。
実際の受験者数が公表されていませんので、実質倍率を出すことはできません。
( )内の数字は前年比です。
志願者 | 合格者 | 倍率 | |
4教科型 男 | 163(−14) | 88(−17) | ーーー |
4教科型 女 | 132(+19) | 78(+8) | ーーー |
2教科型 男 | 98(+5) | 48(−1) | ーーー |
2教科型 女 | 80(−2) | 35(−4) | ーーー |
合計 | 473(+18) | 249(−14) | 1.9(+0.2) |
今年度は4教科型の男子志願者が減少、女子が増加ですね。2教科型の志願者数は誤差の範囲内です。
前年度は女子の受験者がかなり少なかったので、少し戻した感じでしょうか。男子の受験者が減少したのは意外でしたね。同志社香里も志願者が少し減っていましたので、付属校人気が少し冷めてきたのかもしれません。少し過熱気味でしたので、落ち着くのかもしれませんね。
とはいえ、トータルで見れば前年比で受験者数増かつ合格者数減という厳しい入試になりました。
例年、約260名に合格を出すのですが、今年度は249名。辞退者が数名だろうという強気の読みです。
平均点・合格最低点
次に受験者の平均点と合格最低点を見ていきます。
国・算・理・社、各100点満点凸凹なしのフラットな配点です。
算数や国語が苦手でも理科・社会で挽回可能な配点です。4教科型のほうがカバーできるので有利かと思いますが、算国が得意であれば2教科型でもOKですし、受験準備が遅れた受験生でも2教科なら十分間に合います。
( )内の数字は前年比です。
| 国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合計 | 合格最低点 |
4教科型 男 | 65(−8) | 74(+6) | 65(−9) | 66(−5) | 271(−15) | 287(+1) |
4教科型 女 | 73(−5) | 73(+6) | 64(−8) | 65(−6) | 276(−11) | 287(+1) |
2教科型 男 | 65(−6) | 77(+8) | ーーー | ーーー | 141(+1)✕2 | 287(+1) |
2教科型 女 | 69(−6) | 70(+5) | ーーー | ーーー | 139(−1)✕2 | 287(+1) |
単純に数字だけを追っていくと…、
・国語:難化
・算数:易化
・社会:難化
・理科:難化
ということになります。算数が得意で、差をつけようと目論んでいた受験生は、差をつけきれなかったのでないでしょうか。平均点が7割を超えてくると差がつきにくいです。
学校側がバランス良く得点する生徒を望んでいるということしょうね。
個人的には、4教科をがんばってきた受験生が報われるような難度にしてあげてほしいと思っています。算国は難しめ、理科社会は若干やさしめとか。2教科と4教科では時間のかけ方が全然違いますから。まぁそんなこと言っても仕方がありませんがね。
問題が難化して合計の平均点が10〜15点下がったにも関わらず、合格最低点は前年並です。
うーん、厳しいですね。ミスできません。
合格最低点が前年度から280点(7割)を超えてきています。
過去問で300点(7割5分)をコンスタントに取ることを目標にしなければなりません。
まとめ
2020年度 関大一中の入試をまとめます。
- 前年比で受験者数が増加、合格者数は減少(受験者数は2018年がピーク)。
- 男子の出願は減少傾向、女子は増加傾向。
- 倍率は若干UP、合格最低点は前年並だが、問題レベルが難化傾向。
- 算数のみ易化、他3教科は難化。
- 二年連続で合格最低点は7割超え。
- 合計300点を取る準備が必要。
来年度の予測
あくまで個人的な見解なので、話半分で読み流してください。
- 今年度と同程度の受験者数もしくは若干増加か。特に男子は増加しそう。
- 今年度、受験者数を大幅に伸ばした関大中等部と迷った層が関大一中に流れそう。
- 算数の問題レベルを上げてきそう。平均65点あたりが着地点か。
- 問題レベルを上げれば、合格最低点は下がるかも?
- 関大系にこだわるのであれば、統一日は関大中等部や関大北陽とのダブル出願も視野に。
来年以降、関大一中を志望校とする受験生のみなさま。
関大一中は長い歴史を持つ伝統校でもありますし、そう簡単に人気は衰えません。
また問題レベルもそれほど高くないので、高得点争いになります。どうかミスを防ぐ対策を立ててください。同レベルで高得点争いになると最後はミスをしない受験生が勝ちます。
学校側も難問をスラスラ解く生徒よりも、「基本問題を確実に正解する生徒を望んでいる」というメッセージとも受け取れます。凡事徹底して頑張ってください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。