大学付属中学を選択する理由

ご家庭によってはまったく選択肢にないでしょう。
人によっては「ズルい」「逃げ」みたいな言われ方をします。

しかし、中位層にはあえておすすめします。
※ここでいう中位層というのは中学受験生での中位層です。公立小学校での中位層という意味ではありません。

特別に突き抜けた存在であれば、公立トップ校、私立最難関校から国公立大学へ進学し、日本を背負って立つような仕事をしてください。それは素晴らしいことです。

ですが、中位層というのはまわりの環境で、どっちにも転びかねない危うい立ち位置です。
だからこそ、思春期という大切な時期をどのような環境で過ごすのかということを考えたいですね。

環境を買う

公立中学に問題があるとは思っていませんが、この時期の子供は環境に流されやすいのも事実。
批判覚悟で言うと、できれば関わりたくない子もいます。

もちろん私立でもややこしい子はいると思いますが、割合で考えるとどうでしょうか。
私立の場合、問題のある子を退学にすることができますが、公立では退学にできません

もちろん公立にも素晴らしい子はたくさんいますが、できるとすれば、ややこしい問題・面倒な問題に遭遇する確率を減らすということ。

保護者に関しても、中学受験を選択するということは、少なくとも子供の教育に無関心なご家庭ではないと考えられます。

そういった意味で価値観もそれほどかけ離れていないと考えれば、少しは安心材料になるのではないでしょうか。

校舎や設備なんかよりそういった環境のほうが大切です。

時間を買う

中高生は忙しいです。勉強にクラブ活動、友達付き合い、SNS、スマホゲーム(笑)など。
中3になれば受験勉強、高3でもまた受験勉強です。

将来の目標が明確な場合は進学校へ行きましょう。例えば医者や薬剤師になりたければ医学部や薬学部へ入らなければなりません。そういった学部がない大学の付属校に入るのは意味がないですね。

でも、ほとんどの子は明確な将来の夢なんてないのです。
本当に学びたい学問があって、大学に進学する子はそれほど多くありません。
例えば、本当にマクロ経済などを学びたくて、経済学部を選んだ学生はどれほどいるのでしょうか。

将来、英語をいかした仕事に就きたい。だから外国語学部に合格したい、文学部英文科に入りたい。否定はしませんが、本当に英語をいかしたい職業に就きたければ1〜2年の間、日本語なしの環境を求めて単身留学したほうが合理的です。

少し乱暴な言い方かもしれませんが、大半は就職のために「少しでも良い新卒カード」を入手するためと言っても過言ではないでしょう。

人によって「良い新卒カード」の基準が違いますが、MARCHや関関同立、日東駒専でOKと考えられるなら、大学付属での学生生活は有意義と言えるのではないでしょうか。

夏休みを利用した短期留学や交換留学などを利用すると世界が一変しますよ。
外国人とコミュニケーションがとれた時の喜びや異国の文化に触れると、今までスマホゲームやLINEに費やしていた時間がいかに無駄だったか、もったいないことをしていたかに気づいたという声を少なからず聞きました。

受験に縛られず、「将来のこと」や「やりたいこと」を考える時間を確保しましょう。
プログラミングに興味を持って継続できれば、卒業時には十分稼げるレベルになっているでしょうし、高校生から資格試験や公務員試験の勉強に取り組むこともできます。

夢がない、やりたいことがないというのならば、まず「やりたくないこと」を見つけることをおすすめします。それを理解していれば、将来、職種でのミスマッチが起こりにくくなります。

内申にとらわれない

そんなものは気にしない、内申なんて勝手に付いてくると思える優秀層や、進学なんてどうでもいい、入れる高校に入ればいいと考えている人たちはいいとして、やはり中間層には関わってきます。内申次第でワンランク上の学校に入れると思うとおろそかにはできません。

言葉を選ばずに言うと「人質」を取られているわけですから、素の自分(個性)も出しにくいですし、本心ではない発言や行動が求められたりします。

・やりたくもない生徒会や委員への参加
・授業での挙手、積極的な発言
・休み時間に先生への質問でヤル気アピール
・苦手だとわかっていても、適当にできない副教科
・クラブ活動でも一定の成績
・場合によってはボランティア活動への参加

もちろん、本人がやりたい場合はいいんです。
やりたくないのに、苦手なのに、やらなければと思わせる時点でマイナスだと思っています。

「やりたくないこと」より「やりたいこと」に時間を使った方が有意義ですし価値も高まります。
まじめでおとなしい性格なだけで、積極性がないと評価されてはたまったものではありません。

入試制度に振り回されない

大学入試改革が行われます。
なんのために?誰が得をして、誰が損をするのか?誰が儲かるのか?
そういった大人の事情に振り回されるのは、もうコリゴリです。

初年度にあたる生徒はかわいそうです。最終年度に浪人した生徒も次は別の入試制度になるのですから気の毒ですね。人生の一部を変えられることになるかもしれません。

大学付属ならそういった懸念を極力排除することができます。

バランスのいい生活

当たり前ですが、学歴や偏差値だけがすべてではありません。
できれば、「文武両道」もしくは「知・徳・体」を身につけ、バランスよく成長してほしいものです。つまり「人間力」の向上ですね。

せっかく中学・高校に通っているのに、制約がかかることもあります。

  • 高校受験、大学受験のために大好きな部活をやめる、引退する。
  • 体育、音楽、美術、技術などに興味があるのに、深く勉強する時間がとれない。
  • 受験科目でない授業中には内職(こっそり受験科目の勉強)。
  • 学校の授業より塾や予備校を重視。

このようなことって、せっかく学校に通っているのにもったいなくないですか?
幅広く基礎学力をつけて、その中で興味のある分野を深く掘り下げていく
個人的にはそんな勉強がしたかったです。

まとめ

いろいろ書きましたが、一番のメリットは「時間」だと考えています。
中・高・大の10年間をいかに過ごすかで、将来の生き方が変わってきます。

せっかく大学付属校に入学しても、スマホゲームばかりしていては意味がありません。
将来のことをじっくり考え、それに向けた行動する時間があるということが一番の価値かなと思いますね。

大企業に入って規模の大きい仕事をしたいのであれば、就活の知識や必要な資格を早い段階で身につければいいですし、公務員になりたければ高校から公務員試験の勉強もできます。
士業に就きたければ、それの勉強を。
個人で稼ぎたければパソコン1台で稼ぎ、起業できる時代です。

失敗してもいいんです。むしろ若いうちに小さい失敗をたくさん経験したほうがいいとさえ思っています。
そういったことを考え、挑戦できる時間があるというのが一番の価値だと考えています。

私は大学付属校推しですが、付属校でなくても魅力的な学校はいっぱいあります。
毎日、子供が笑顔で通える学校を見つけてあげてくださいね

読んでいただき、ありがとうございました。

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