関西地区において、中学受験を突破することだけを考えると「社会」という科目は重要ではありません。
しかし、中学進学後や教養という意味では勉強する価値はあります。
受験校にもよりますが、今回はこのあたりを考察してみたいと思います。
社会が入試の鍵を握る学校
そんな学校はなかった…。
単純に関関同立系中学の入試を突破することのみが目的であれば、社会は必要ありません。算国理で対応できます。
関学・啓明はそもそも社会の試験を用意してません。
しかし苦手教科がある場合、社会を勉強しておけば学校によっては光が見えてきます。
系列校も含めた学校の受験科目を見てみましょう。
同志社 | 算国理社・算国理 |
同志社女子 | 算国理社・算国理 |
同志社香里 | 算国理社・算国理・算国社 |
同志社国際 | 算国理・算国社・算国英 |
関西学院 | 算国理(A日程)、算国(B日程) |
啓明学院 | 算国理(A日程)、算国(B日程) |
帝塚山学院 | 算国理社・算国理・算国社(1次)、算国(E、2次) |
立命館 | 算国理社・算国理 |
立命館宇治 | 算国理社・算国理(A日程)、算国理・算国社(B日程) |
立命館守山 | 算国理社・算国理・算国英 |
初芝立命館 | 算国理・算国社(前期A)、算国(前期B、後期) |
平安女学院 | 算国理・算国社・算国英・算国 |
育英西 | 算国理社・算国理・算国社・算国 |
関大一中 | 算国理社・算国 |
関大北陽 | 算国理社・算国理(1次)、算国(2次) |
関大中等部 | 算国理社・算国理・算国社 |
算国からは逃げようがありませんが、1次2次、前期後期、A日程B日程を通して、必ず理科が必要な学校は…、
・同志社
・同志社女子
・立命館
・立命館守山(算国英だと理科不要)
極端なことを言うと、これら以外は「算国社」「算国」でも受験可能ということです。
では、社会は捨てたほうがいいのか?
なんでもかんでも「効率」や「合理性」を追求するなら捨てたほうがいいです。
あと「関学系しか見えない!」と決め打ちされているなら最初から捨ててください。
社会を受講する時間、宿題する時間、テストを受ける時間を算国理につぎ込むほうがいいでしょう。
ただそれなりの覚悟がいりますし、得意科目が明確でなければいけません。
4教科で得意科目を2つ作ることができれば、受験戦略においてかなり楽になります。
得意とは志望校の偏差値を安定して超えるぐらいです。自分の中で「強いて言えば得意」というレベルではありません。簡単に言うと得点源になる科目ですね(合格者平均を取れるレベルが望ましい)。
もうガチガチの理数系や算国が得意科目ということであれば、社会は捨てていいかもしれませんね。
絶対に4教科が必要な学校はありませんから(関関同立系では)。
ただ、算数か国語のどちらかが苦手な場合は、4教科受験で苦手科目での失点を他の3教科でカバーしなければなりません。ここで社会を捨ててしまうと2教科でカバーしないといけないので、1教科あたりの負担が大きくなってしまいます。
まとめ(私の結論)
「子供によります」や「志望校によります」では、記事のまとめとしては弱いので、私もある程度ポジションをとります。
個人的には新6年生になるまでは4教科とも勉強しておいたほうが良いと思ってます。
理由は二つあって、一つは自分の得意科目と苦手科目がはっきりしないと思えるから。
もう一つは理由は志望校・併願校がまだはっきり定まらないと思うからです。
では6年生以降、社会を「捨ててもいい場合」と「捨てないほうがいい場合」を考えてみました。
社会を捨ててもいい場合
・とにかく時間がない。諸事情により受験勉強の開始が遅れたなど。
・社会がとにかく苦手。暗記も苦手。
・(ある程度勉強しているのに)社会の偏差値が毎回模試で一番低い。
・関学系しか眼中にない。
・算数(または国語)と理科が突き抜けて得意。
・中学入学後は社会をがんばる気がある
社会を捨てないほうがいい場合
・関学系は考えていない。
・社会に苦手意識がない。
・模試によって理科の偏差値が良いときもあれば、社会が良いときもある。
・社会以外でヤバイくらいの苦手科目がある。
・模試によっては算国理の中で撃沈する科目がある(不安定)。
・中学入学後もある程度の順位にいたい。
「もうムリ!」と思うくらい社会がキライでなければ、社会は簡単に捨てないほうが良いと思います。中学入学後は英語が控えていますので、ある程度の基礎を理解していると理科や社会に割く勉強時間を英語や数学にまわせます。
また入試においても、「理科や社会」は「算数と国語」に比べればやさしめの学校が多いと感じてました。学校側も二教科や三教科しか勉強してこなかった子よりも四教科を勉強してきた子に配慮したとしてもおかしくはありません。実際に関大一中の説明会(2017)ではそれに近い発言がありました。
今一度、過去問で社会の難度を分析してみてください。
考え方によっては、入試本番において他教科でつまづいてしまった場合、カバーしてくれる科目になりえるのです。
ウチは二人とも社会を捨てませんでした。そして入学後も捨てなくてよかったと感じています。
一人は入試結果にあまり影響しませんでしたが、一人はかなり影響しました(良い結果に)。
入試で理科がコケたからです。監視されているのかと思ったほど苦手単元を寄せ集めたような入試問題でした(汗)。それでも合格できたのは社会を捨てなかったからだと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。