【考察】2022年度 関西大学北陽中学校 入試結果感想(1次・2次A・2次B)

関西大学北陽中学の入試結果が公表されましたので所感を綴ります。
1/15AMに1次試験、1/15PMに2次A試験、1/16PMに2次B試験が行われました。

今年は1次試験の受験者数を増やし、ついに100名を超えてきました。一つの区切りになった年度ではないでしょうか。

2次試験は相変わらず結構な受験者数を集めますね。
午前に関大系(一中、中等部)や同志社系を受験されて、午後から関大北陽の二次試験というのがお決まりのパターンでしょうか。

2022年度 受験者数・倍率

募集人数は1次・2次A・2次Bを合わせて男女で約105名です。
入試要項には「男女別定員は定めない」とありますので、関大一中と同じく成績上位者から性別に関係なく合格を出されているようです。合格最低点も男女別にはなっていません。

例年、入学者は2/3が男子、女子は1/3ぐらいでしたが、今年度は女子が37%まで増えているようです。
あと数年すると男子3:女子2ぐらいの割合になるかもしれませんね。

受験形式は1次のみ「4教科型」と「3教科型(国語・算数・理科)」があり、3教科型は合計得点の1.2倍が得点(持ち点)になります。
4教科型は「上記3教科合計の1.2倍」と「4教科合計」の高いほうが総合点となります。

2次は2教科で国語・算数が受験科目になります。

では、志願者数・倍率がどうなったかを見ていきましょう。
( )内の数字は前年比です。

募集人数 男女105名志願者受験者合格者実質倍率
1次126(+34)119(+29)54(+4)2.2(+0.4)
2次A537(+15)517(+7)290(-27)1.8倍(+0.2)
2次B353(+36)288(+19)143(-4)2.0倍(+0.2)

結論から言うと、すべての入試日程で難化しました。
一つずつ見ていきます。

1次試験

なかなか出願者数100名を超えられませんでしたが、今年は大きく超えてきました。
パーセンテージで言うと37%です!
受験者数としても100名を超えています。

これには学校関係者も嬉しかったのではないでしょうか。受験生がバラける統一日午前で志願者を増やすということは第一志望と考える受験生が増えたということ。すなわち学校の魅力が上がったとも考えられます。

それにともない実質競争率も跳ねました。
0.4pt増の2.2です。これって受験生の層はやや異なりますが、同系列の関大一中や中等部より競争率は高いですから。けっこう厳しくなってきました。
来年も2.0倍を超えてくるとホンモノかなと。

個人的には、受験者数も増加した第一志望で挑む1次試験ですから、合格者数をもう少し出してあげて欲しかったですね。せめて募集人数(105名)の6割。もちろん学校側が緻密な計算の上でバランスをとっているとは思いますが、第一志望の子供が確実に半分以上を占める状態が理想的ではないかと勝手に感じた次第です。

2次A試験

受験者数は前年とたいして変わりなく500名+αといったところ。
しかし、合格者数を1割ほど減らしてきました。どういった意図があったのかはわかりません。
率でいうと、1次の合格者が約1割増えたので、2次Aの合格者を約1割減らしたという理屈でしょうか。

入学者は例年、1次試験から50名ほど、2次A試験から60名ほど、2次Bからは片手ほど入学します。
単純に午前に受けた学校からあまり流れてこないという予測からでしょうか。
たしかに、同志社・女子・香里・関一・中等部あたりの競争率は上がっていません。

よって「不合格になる受験生が減る→そこで不合格になった受験生は入学してくる可能性が高い→だから例年より合格者を数を減らしておこう」といった感じでしょうか。逆も考えられそうですが…。個人的な邪推でした。

来年以降も受験者数としては500名前後が続きそうです。ただ合格者数は増減する可能性があると考えます。たまたま今年だけが少なかったのか、今回の数値がトレンドとなっていくのかは来年になってみないとわかりません。

2次B試験

統一日の翌日に北陽で行われる3回目の入試になります。
この日時って流動的かつ年度によってハードルの上下が激しいので、はっきりいって考察するのは難しいと感じています。

今年は受験者数が増えました。実質競争率も上がりました。
ですが、さほど重要なことではないと感じています。批判覚悟で書きますが、私はこの入試の意義がよくわかりません。

入試日、受験者層、入学者数。
このあたりに疑問を感じています。これに関しては別記事を書きたいと考えています。

今、わかっているメリットは入学金の振込日に余裕があり、他校の結果を待てるという点です。
ただし、偏差値的にかなり余裕を見ておく必要があり、個人的には調子の悪いときでもR4で50を下回らないレベルと思っています。

2022年度 平均点・合格最低点

次に受験者の平均点と合格最低点を見ていきます。
と、思ったのですがなぜか今年は平均点が公表されていません。

受験者平均がわかりませんので、合格最低点のみからの考察になってしまいます。
どこかのタイミングで判明しましたら更新します。
また情報をお持ちの方がいらっしゃれば、いただけると非常に助かります。以前とは違って、感染症のせいで気軽に説明会などに参加できる状況ではないので情報が不足しています。

とりあえず、書ける範囲で進めますね。

一次の配点は国・算が各100点満点理科・社会が50点満点の合計300点満点です。
三教科型の受験ですと、国・算・理の合計点が1.2倍になります。
二次はA・Bともに2教科、各100点満点での受験です。
ちなみに試験時間は、国語・算数が50分理科・社会は40分です。

受験者平均点合格最低点
1次現在不明/300155(-5)/300
2次A現在不明/200100(-27)/200
2次B現在不明/200136(+19)/200

1次試験は前年とさほど変わっていません。
しかし、競争率が跳ね上がっていることを考慮すると問題レベルが難化していると考えられます。

2次A試験驚くほど合格最低点が下がっています。
前年はかなり高かったのですが例年110点台が多く、6割を取れていれば合格することが多かったです。それが100点ジャストまで下がったとなると得点率5割で合格。こう考えるとハードルは低く感じますが、例年よりかなり難しい問題が出たと考えるのが自然ですね。

それとは逆に2次B試験はかなり易化したのか、合格最低点が跳ね上がっています。
合格にはほぼ7割が必要になりました。
もともと少し上のレベルの子が合格していくイメージがあって、「関大一中には合格したけど2次Bはダメだったー」なんてことは結構あるみたいです(説明会にて拝聴)。

1次試験はともかく2次Aに難しめの問題を出し、2次Bを易しめにする意図は何なのか?
日程が後ろにいくほど難しくなるのが通例かと思いますが、私にはわかりませんでした。

まとめ

2022年度 関大北陽中の入試をまとめます。

  1. 受験者数は1次はかなりの増加。人気が出てきた?来年が勝負どころ。
  2. 二次A・二次Bは微増。誤差の範囲内。
  3. 全試験型で実質倍率が上がる。特に1次試験が急上昇
  4. 問題レベル1次:前年並2次A:急激な難化2次B:急激な易化
  5. 一次の受験者が増加したが合格者数はそれほど増えなかった
  6. 二次Bのみの受験はかなり余裕を持ってないとリスクあり

今年は例年よりも人気があった年度になりました。これが来年以降も続くとレベルも上がるかもしれませんね。
阪急沿線で立地も良く、関西大学の併設校となれば、もっと人気が出ても不思議ではありません。

第一志望の受験生にとっては、徐々にですが難化していますので、一次試験で常に6割は取れる力を養っておいたほうがいいでしょう。国語・算数が得意なら二次Aでも戦えます。

多くの受験生が二次を受験されると思いますが、少しでも入学の意志があるなら、二次Aで合格をもらっておくのが得策です。持ち偏差値にかなり余裕があるなら、捨てることになるかもしれない入学金のことを考えて、入金期日に余裕のある二次Bのみ受験の選択もアリといったところでしょうか。

関大北陽は関関同立系の2次試験にしては実質倍率が2倍前後なので受験しやすい学校です。他の付属系だとなかなかそうはいきませんからね。

※平均点などが判明しましたら記事を修正する可能性があります。ご了承ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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