【レビュー】関西大学第一中学校 入試説明会

9月に入りましたが、残暑の厳しい日が続きます。
今回はいつもの親和館ではなく、100周年記念館で行われました。
初めて入りましたが、素晴らしいホールでしたね。

保護者からは、オープンスクールよりも少し緊迫した空気が漂います。
お母様は服装もやや戦闘服気味(気合が入っている)ですね。個別相談を意識されているのかもしれません。
子供、特に男の子は無邪気なもんですけどね(笑)。

いつもどおり開始30分前にホールに入り、前方に着席しました。
開始直前には用意された800席はすべて埋まり、両サイドには立ち見の保護者が数十人いらっしゃいました。あいかわらず盛況ですね。

プログラム

  • 入試説明会(13:30〜14:45)
  • 個別相談、質問コーナー
  • 設備見学
  • 部活動見学

HPでは入試説明会としか書かれていませんでしたが、他にも用意されていました。
各自で自由に見てまわるだけですけど、土曜の放課後を生徒たちが、どのような表情で過ごしているのかを見るいい機会でした。

気持ちよく挨拶もしてくれますし、本当に楽しんでいる様子がうかがえました。

入試説明会

さて、いよいよ秋の入試説明会です。
この時期にはほぼ入試問題ができあがっていると言われています。

社会の時事問題なんかは、まだかもしれませんが、大筋で仕上がっているでしょう。

が、私のイメージしていた入試説明会とは違いました。

他校で参加した説明会ですと、各教科担当が壇上に上がり、「傾向は変えていません」とか「このような勉強をしてください」とか「図形は○問出します」「指定がなければ漢字じゃなくてひらがなでも可」など、結構ヒントをくれたりするのですが、そういうのはなかったです。

ただ、それに変わるものとして、各教科担当から「受験生へのアドバイス」として冊子を配布してくれました。これは入試説明会に参加した人しかもらえないようです。つまり、他のイベントでは配布しないらしいです。

左の冊子に各教科のアドバイスが記載されてました

教育方針について

学校長のお話は例によって割愛させていただきますね。
まずは、どのような教育をしているかについて。
「関西大学併設校合同説明会」でも話された先生からの説明でした。

強調されていたのは「バランスのとれた人物」を育成するということ。
勉強だけでもダメ、勉強しなさすぎるのもダメ、勉強だけをしたいのなら進学校へ行ったほうがいいとのこと。

関大一中が大事にしているのは、「基礎学力」「基礎体力」「生活習慣」

中学、高校、大学の「Golden Decade(黄金の10年間、黄金時代)」をどのような環境で過ごすのが、子供にとって幸せなのかを考えてあげてほしい。

それが関大一中ということあれば、我々も全力でサポートする。心強いですね。

生活指導について

いいことはいい。ダメなことはダメ。これをはっきりさせている。

中学校と高校の生徒数を合わせると2000人になる。この2000人が快適に学校生活を送るにはルール・規則・校則が必要になってくる。

昨年、通学時間帯に大きな地震があるまでは学校へのスマホ持ち込みを禁止していた。
今年の4月からは緊急時のことを考えて、持ち込みを許可している。

ただ、あくまで緊急時の連絡用のため、家を出るときには電源をOFFにしてもらう。
教室に着いたらロッカーに入れる。
下校時も同じ、緊急時以外は家に着くまで電源は入れない。

校内や通学時に使用が発覚したときは、スマホを一時預かって、保護者を呼び出して三者面談。注意した上で返却になります。生徒がルールを破るのは親にも責任があるとの認識。

もし定期考査中にスマホが鳴るようなことがあれば、0点になることもある。

規則が厳しいと思うかもしれないが、10年後、社会に出た時に「約束」「規則」「時間」を守れない社会人は役に立たない。勉強ができるよりもそういったことの方が大事という考えだそうです。

生活指導として、いいことをした時は、本人が恥ずかしくなるくらい誉める。悪いことをした時は、愛情を持って叱りますと仰ってました。

入試について(面接)

関大一中では有名な先生が登壇されました。
過去に何らかの説明会に参加された人なら、みなさんご存知と思います。

まず240人の生徒をとりますが、合格基準は男女別ではありません。1番から順に合格を出していく。男女のバランスは考慮しない。


面接の形態はグループ面接。
1グループの生徒は6〜7人、面接官は3人で対応。
質問数は2つか3つ。
内容は一般的なものなので、入念な準備は不要。

なぜ関大一中を選んだのか?
入学したら何部に入りたいか?
中学校で何をやりたいか?
小学校生活で印象に残ったことは何か? など誰でも答えられる内容のようです。

言葉につまっても構わない。聞き取れないなら聞き直しても構わない。納得行かなければもう一度答え直してもかまわない。むしろヤル気を感じるとのこと。正解なんてないので、思ったことを答えてくれればよいとのことです。

ex)なぜ関大一中?⇒親が受けろと言ったから。 ←これでも全然OKのようです。

合否への影響に関しては明言されませんでしたが、話しぶりからは恐らく影響はほとんどないと考えます。

出願は12/16(2019年)から。午後入試を考えているのであれば、受験番号が若いほうが面接は早く終わりますので早めの出願をオススメします。

関大北陽(2次A)は同併設校なので考慮してくれます。近くなので移動時間もそれほどかかりませんが。

先生からのアドバイス

全体的なアドバイスは二つ。

  • 落ち着いて、ていねいな字で。
    本番は緊張するし、焦るのもわかりますが、ていねいな字を心がけましょう。
    採点する側も得点してほしいと思っているので、なんて書いてあるのか必死で読もうとするが、中には読めない箇所がある。読めなくては点数をあげられない。
  • 服装は脱ぎ着しやすいものを。
    体感温度はそれぞれ違いますが、教室で試験を受け、面接は廊下で待機したりと環境は変わりますので、脱ぎ着しやすい服装のほうがいいとのこと。
    面接があるからといって、お上品な服装である必要はない。過ごしやすいということであれば、ジャージでも構わない。

個別相談・質問コーナー

説明会の終盤には、もう個別相談へ向かっている保護者も何人かいました。
これは凄い行列ができるだろうと思っていましたが、相談ではなく質問の方はホール前方で、急遽、先生が立ち話スタイルで受け付けるという粋な計らいをされていました。

ただし、質問は一人につき一つだけ。一問一答でどんどんまわしていくスタイルです。
この配慮はうれしいですね。聞きたいことが一つだけなのに1時間も待たされるときついですから。このスタイルはいいと思いました。

成績表を広げて相談したり、身体的な相談などのプライバシーに関わる案件は、個別相談ブースを利用してくださいとの案内でした。

設備見学

あいかわらず中学校舎には入れませんでした。
教室や普段利用する手近なトイレを確認しておきたかったのですが、今回も叶いませんでした。

要所には先生が立たれていて、案内されていました。
部活動見学を兼ねて、秀麗館(体育館)、温水プールを見学しました。

部活動見学

野球部を見学しました

中学グラウンドでは野球部が、秀麗館1F(武道がメイン)では柔道部・空手部・卓球部が、
秀麗館2Fではバスケットボール部・バレーボール部が練習していました。

水泳部はもちろん温水プールで、高校グラウンドではラグビー部と野球部(高校生?)が活動しているところを見学しました。

敷地が広いので至るところで、ランニングやトレーニングをしています。学外に出ることもなさそうなので、安心ですね。

どの部もまじめに、そして楽しそうに活動しているのが印象的。トレーニング中でも近くを通ると、挨拶をしてくれますし、本当に充実した中学・高校生活を過ごすのだろうなと感じました。

文化系のクラブは時間がなかったので、今回は見学できませんでした。

まとめ・感想

この入試説明会で関大一中の魅力を再確認しました。
この学校は統一日の一発勝負で二次試験や後期試験はありません。

初日は関大一中、三日目に同志社香里後期というプランも可能ですが、ほぼほぼ第一志望で受験してきます。よって、定員に対してプラス20名ほどしか合格を出しません。

試験は1回のみ、合格発表もWEBでの発表はなく、親和館での掲示のみ。
このあたりにこだわりや伝統を感じます。

合格最低点も一昨年までは265点前後(得点率65%)でしたが、昨年は7割(286点)を超えてきました。例えば、国語の受験者平均は女子に限ると78点です。平均がほぼ8割です。
合格者平均ではなく、受験者平均でです間違いなく高得点の争いになります。

問題はそれほど難しいと思いませんので、うっかりミスが命取りになります。
発展問題を解けるようになるよりも、ミスを防ぐ勉強をしたほうが合格に近づけると思います。

いずれにしても、大切なのは凡事徹底
アタリマエのことをアタリマエにこなせるようになることが、合格への近道ではないでしょうか。

長くなりましたので、「受験生へのアドバイス」については、
別記事で書こうかと考えています

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