2019/10/6 AP大阪梅田茶屋町で開催された「同志社系列校合同説明会」ですが、先日は同志社中学をレビューしました。
次は、通称「同女」と呼ばれている同志社女子中学校です。
特色
同志社系列なので、教育理念として「自由主義」「国際主義」「キリスト教主義」は他系列校と同じですが、唯一の女子校です。
関関同立というくくりでみても、唯一の女子校ですね。
大学付属系で女子校への進学を考えているご家庭にはドンピシャではないでしょうか。
女子教育
・女子の特性に応じたカリキュラムが整えられているため、効果的な学習活動を行えるということ。
偏見かもしれませんが、女子は「英語や国語」が得意な生徒が多く、男子は「数学や理科」を得意とする生徒の割合が多いような気もします。
長年のノウハウで女子に最適なカリキュラムや進度が確立されているのでしょう。
・また、学校生活のすべての役割を女子が担うため、任された経験を通じて責任感や自主性が養われます。
「男子ぃ、重いからコレ運んでぇ」なんていうのは通用しません。
体育祭や文化祭の準備なんかは大変そうですが、女子だけで考えて、協力して作り上げるということですね。それも「女子だけでやり遂げた」という良い経験になり、女性がリーダーシップを取ることを自然なことと考えられるようになれるでしょう。
・男子の目を気にせず、自分の意見を述べ、自分らしくのびのびと活動できるという点も魅力です。
男子の勢いで「生活・ペース・リズム」が乱されることがありませんし、校内でホレタハレタだの面倒くさいことやトラブルが起きることも共学と比べて少ないでしょう。この辺は想像になりますが。
キリスト教主義
当たり前ですが「キリスト教」をベースに教育されています。
「愛を持ってこれを貫く」ということ。
真顔で言うと恥ずかしいのですが、ドラマであるような「そこに愛はあるのかい?」みたいな感じです。
愛というと大げさに感じますが、簡単に言うと「人を大切にすること」。これだけ理解していればOKです。
家族や知り合いを大切にできる人は少なくないでしょう。
ですが「知らない人」を大切にできるでしょうか。
そこまで含めて「愛を持ってこれを貫く」ということですね。
「お互いがお互いを尊重する」ということを大切にされている学校です。
コース制
同志社系では唯一コース制をとっています。WRコースとLAコースですね。
中学ではWRの単独編成ではなく、月曜〜金曜まではLAコースに混じって同じ授業を受けます。
土曜日だけWRコースの生徒が登校して、WR用の特別授業を受講します。
LAコースは土曜休みの週5日登校です。
またコース変更も可能で、10数名が入れ替わるようです。
高校からは1クラスの単独編成で、学力を集中的に高めていくカリキュラムになります。
WR(ワイルド・ローヴァー)コース
ワイルドローヴァーとは、新島襄が渡米の際に乗船した船の名前です。
大志を抱き、チャレンジ精神を備えた、社会に貢献できる人材を育成するコース。
外部受験を目指すコースかと思っていましたが、説明によると、理系学部への進学を目指すコースですね。結果的に外部進学が多くなる傾向にあるようです。もちろん同志社大学の理系学部にも進学してます。
今は洛南女子がありますが、京都はもともと女子が通えるゴリゴリの進学校がほとんどなかったように思います。そういった京都で突き抜けた女子が「同志社中」や「同女WR」に一定数進学していたので、進学実績にも反映されたと推察します。
ですので、トップ層はかなり突き抜けた存在なのではないでしょうか。
LA(リベラル・アーツ)コース
直訳すると「教養教育」となるのでしょうか。新島襄が学んだアーモスト大学の教育方針に由来しているとのこと。
同志社大学・同志社女子大学への推薦進学を目指すコースです。
大学での学びを視野に入れ、高大連携の取り組みや多彩な実習など受験勉強に終始しないカリキュラムが組まれています。
のびのびと学業・クラブ活動・趣味などに打ち込みたい生徒に合ったコースですかね。
ガツガツと競争したりするのが苦手な女子には、いいのではないでしょうか。
充実した学校生活を6年間楽しめそうですね。
進学について
念のためですが、同志社女子中高は同志社女子大学に進学する学校ではありません。
大半は同志社大学に進学します。
同志社女子大学への進学を希望する生徒は、薬学部や看護学部などの同志社大学にはない専門分野を学びたいという明確な目的を持っている生徒になります。
進学先をみても、下のような比率です。
・同志社大学 85%
・同志社女子大学 5%
・他大学 10%
WRコース(40名)の他大学進学に目を向けると、京大・阪大を含む国公立への進学が9名、早慶・ICUなどの私立大学への進学が26名のようです。残り5名が同志社大学ということでしょうか。
かなりの割合で外部へ出られているようです。
クラブ活動
女子校ですが、運動部・文化部ともに充実しています。
珍しいところで言えば、アーチェリー部やハンドベル部、筝曲部、コミック部、管弦楽部でしょうか。詳しくは公式HPでご確認ください。
入試について
居住地にもよりますが、女子で自信があれば、統一日から四日連続で同志社系を受験することが可能です。
初日:同志社中(51)→二日目:同志社女子後期LA(50)→三日目:同志社香里後期(54)→四日目:同志社国際(50) ※カッコ内は日能研R4偏差値(2019/10/10版)
とはいえ、この受験プランはリスクを伴います。R4を見ても偏差値差があまりありません。
持ち偏差値にかなり余裕があれば問題ないでしょうが、併願プランをしっかり練った上で出願しましょう。
同志社中にこだわりがなければ、同志社女子前期LA(42)のハードルが低めなので、ココで決めてしまうのが、一番手っ取り早いと考えます。
自己推薦入試
同志社女子中が第一志望であれば、自己推薦入試がおすすめです。
出願資格
①3月に小学生卒業見込みの女子
②学業成績が優秀で、本校を第一志望としている者
③受験資格の確認申請をして、「受験資格あり」と判定された者
「受験資格あり」と判定されると、受験当日に「作文・面接」がありますが、不合格になった受験生はいないとのこと。実質「合格」と考えていいでしょう。
①は問題ないとして、②の学業成績が優秀とはどの程度か?
計算式は次の通りです。
3段階評価✕8教科✕2年分(小学5,6年)=学業成績
フルスコアなら「3✕8✕2=48」になります。
40以上で出願可能です。40を目指すのではなくて、上を目指ししてください。受験資格は上から発行されますので、40ギリギリだと定員に達してしまう可能性があります。
40未満はノーチャンスなのであきらめて、一般入試を受けてください。
自己推薦で不合格になったとしても、一般入試で不利なることは一切ありません。
出願資格をクリアすると、次のものを用意してください(ダウンロードはコチラ)。
・確約書:合格したら必ず入学しますと約束する書類
・調査書:プリントして小学校の先生に頼んでください
・活動履歴報告書:そろばん、ピアノコンクール、書道、バレエ、空手、習い事全般で書けるものはすべて書いてください。書状や合格証などの証明できるものが必要です。
・五ツ木駸々堂テストの成績表:評価されるのは6年生の第5回と特別回のみです。
特別回は普段受けない優秀層も受験しますので、第5回に全力を注ぎ、好成績を叩き出してください。
第5回で十分な結果が出たら特別回は受けなくてもいいです。両方もしくはどちらかでいいので。
(追記:2021年度は第4回五ツ木模試の成績表も評価されます。来期以降も継続されるのかはわかりません)
アクセス
京都市営地下鉄「今出川」駅から徒歩5分、京阪「出町柳」駅から徒歩8分の立地です。
適度に歩くといった感じですかね。
女子ですからアクセスがいいに越したことはありません。
所要時間は京都駅から約15分、大阪駅から約50分が目安になります。
まとめ
女子校に抵抗がなく、同志社系に進学したいというご家庭にはピッタリだと思います。
単純に偏差値で比べても、統一日のLAコースは狙い目です。
男子ですと、R4で50が必要になってきますので。
この偏差値で同志社大学へ進学できると考えれば、おすすめしない理由がないです。
コスパ最強じゃないでしょうか?
入学後、成績不振になったとしても、先生が放課後にフォローしてくれたり、下から5%ぐらいは、卒業生がチューターとしてサポートしてくれるとか。
もちろん本人のやる気次第ですが、手厚いサポート体制が整っています。
安心して学校に任せられますね。
リーダーシップを取れる女子も、競争が苦手な女子も、それぞれの役割の中で充実した学校生活をおくり、バランスの取れた人材を育成されているように感じました。