秋以降、偏差値爆上げは都市伝説?

夏期講習を経て、いよいよ過去問に取り組む時期になります。
巷では、秋に行われる重要模試で偏差値が爆上げして、無理だと思っていた志望校に逆転合格なんて話がありますが本当なのでしょうか?
成績が上がる子がいるということは、下がる子もいる。相対的な話なので、これが現実です。

こういったサクセスストーリーはメディアも飛びつきますし、塾も宣伝にバンバン使いますから、耳にすることが多く、錯覚してしまいがちですが、都市伝説ぐらいに思っていたほうが精神衛生上、楽になれます。

上がる子はどんなタイプの子?

繰り返しになりますが、6年生の秋に偏差値爆上がり説は、あまり真に受けないほうがいいです。
周りも全速力で走っている中で、さらにそれを上回る成長をしないと成績はあがりません。

では、どんなタイプの子が成績爆上げするのでしょう。
①受験勉強のスタートが遅かった子。
②ポテンシャルは高いのに、今までまじめに取り組んでこなかった子。
③わからない問題をわかるようになることにコミットした子。

こんな感じですかね。①と②はのびしろがまだまだあったってことで片付きます。
③を徹底することによって、新たな得点につながり成績が上がります。

勉強漬けなのに成績が上がらない?

この夏休みでいかに成長するかが課題になってくるのですが、朝から晩まで夏期講習を受け、夜に帰ってきて宿題をやっているのを見ていると、「ウチの子、すごくがんばってる!」と思いがちですが、がんばっていることと成績が上がることは別問題です。

講義形式の授業にて本当の意味で参加しているのは「講師だけ」です。
講義がムダと言っているわけではありません。
これはインプット、アウトプットの問題で、講師は子供に向けてアウトプットし、子供は講師の解説をインプットするのが普通です。

算数を例にあげると、講義の進め方として初めの数十分で問題を解いたあと、講師が解き方を解説をするパターンですと要注意です。
なぜなら、子供は解けなかった問題に対して、何一つアウトプットしていないからですね。
解説を聞いたあとに、自力で解けるのかアウトプットすることが大切です。

その講義で10問にチャレンジしたとしましょう。
・6問正解 → 受講前から自力で解けているので、新たな成長ではない
・4問不正解 → 解説を聞いて自力で解けるようになれば成長

この不正解4問をどうとらえるか。
難しい問題があれば、それが志望校合格に必要なのかを選別してあげましょう。

入試で満点を取る必要はありませんので、その問題を理解するのにものすごく時間がかかるようなら捨てるのもアリです。その時間で基本問題を解けるようになるほうが大切です。

すべてを理解するのは難しいので、不正解4問中1問でも解けるようになれば、成績は上がります。
解けるようになるというのは、説明を聞いた直後ではなく、3日後・一週間後・一ヶ月後でも解けるという意味です。

つまり定着しているか確認することも大切です。

定着の確認を子供が自らやるのは、かなり成熟している子でないと難しいので、親が手伝ってあげましょう。間違えノートを作るのが効果的ですね。そのノートは入試まで使えます。

まとめ

秋になるとまわりも凄いスピードで走っています。
それに付いていって、さらに速度を上げないと、その集団の中で順位(偏差値)は上がりません。

意識したいことは二つ。

  1. うっかりミスをなくす
  2. 間違えた問題をわかるようになる

「うっかりミスをなくすぞ!」親子で号令かけても、ミスはなくなりません。
ミスをなくす方法を一緒に考えてあげてください。

黒塗り図形の周囲の長さを問われているのに、全力で面積を求めちゃう子とかいますよね?
表面積を問われているのに、がむしゃらに体積を求めちゃう子もいますよね?

問題文の「周囲の長さ」「表面積」を○で囲んでから問題を解き始めるとか、何かルールを親子で考えましょう。なんでもいいんです。「間違えないぞ」っていうおまじないも兼ねて。

さぁ、あと少しです。悔いのない夏にしましょう!

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