同志社女子中学の入試結果が公表されましたので考察します。
2020年1月18日(前期)19日(後期)に行われました。
関関同立系で唯一の女子校、同志社系で唯一コース制をとっています。WRコースとLAコースで偏差値5ptぐらいの差があり、前期試験と後期試験でも5pt以上の差があります。
来年以降に役立ててもらえれば幸いです。
2020年度前期 受験者数・実質倍率
では、2020年度の受験者数・実質倍率がどうなったかを見ていきましょう。
[ ]内の数字はWRコースからの回し人数です。
( )内の数字は前年比です。
前期 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 | 実質倍率 |
WRコース(約25名) | 93(−22) | 88(−21) | 27(−3) | 3.7 | 3.3(−0.3) |
LAコース(約135名) | 261[66](−17) | 246[61](−32) | 144[45](+7) | 1.9 | 1.7(−0.3) |
合計 | 288(−32) | 273(−35) | 171(+4) | 1.8 | 1.6(−0.2) |
WRコースからの回しがあるため、数字がごちゃごちゃしていますので、「実質倍率」と「合計」だけ見てもらえればいいです。
受験者が1割ほど減って、合格者が微増。今年の前期試験を受験された人は実質競争率という意味ではラッキーでした。
「WRコースじゃないと絶対イヤだ!」だと言う人がどれほどいるのかわかりませんが、「同志社女子中に入学したい!」という人にとって1.6倍はそれほど高いハードルではありません。
他の同志社系列校を見ても、もっとも倍率が低いですし、将来同志社大学に進学することを考えると、オイシイとさえ思えますね。
※同志社女子中学・高校は同志社大学に進学する学校です。同志社女子大学に進学する生徒は、同志社大に進学できないのではなく、自らの意志で進学しているようです(薬学や看護、学芸など)。
出願者数は前年比で32名の減少、それにともなって受験者数も35名の減少です。
前年が実質倍率1.8倍だったことを考えると、今年は易化したと言っていいでしょう。
とはいえ、女子校で統一日午前に300人近い受験者を集められるのは立派です。
関西ですと、他に最難関群の四天王寺や帝塚山学院ぐらいではないでしょうか。
2020年度後期 受験者数・実質倍率
はい、激戦の後期試験を見ていきます。
[ ]内の数字はWRコースからの回し人数です。
( )内の数字は前年比です。
後期 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 | 実質倍率 |
WRコース(約5名) | 205(−65) | 199(−64) | 46(−3) | 41.0 | 4.3(−1.0) |
LAコース(約20名) | 391[158](−8) | 377[152](−57) | 136[67](+21) | 19.5 | 2.8(−1.0) |
合計 | 438(−73) | 424(−66) | 182(+18) | 17.5 | 2.3(−0.6) |
後期日程もWRからLAへの回しが多すぎてわけがわからないので、合計と実質倍率だけ確認していただければと思います。
試験日が統一日の翌日ということもあり、同校前期入試そして他校も、まだ合格発表が行われていない学校がほとんどですので、欠席者も少ないです。
うーん、昨年の受験者数がかなり多かったということもあり、前年比で受験者数が12%ほど減少しましたが、合格者は両コース合わせて182名も出しています。前年比ですと約10%増しですね。
この数字だけをみると、「易化した」といってよさそうですね。
とはいえ、同志社女子は同志社香里などと違って、前期と後期でハードルの高さがかなり差があるので、慎重に受験日程を組みましょう。
・同志社中→同志社女子(後期)→同志社香里(後期)→同志社国際
・同志社香里(前期)→同志社女子(後期)→同志社香里(後期)→同志社国際
上記のような統一日から4日間「なにがなんでも同志社プラン」は偏差値が拮抗していますので、かなり余裕がないと危険です。
一番のおすすめは前期入試でWRでもLAでも、サクッと合格を頂いておくことです。
平均点・合格最低点
次に受験者と合格者の平均点と合格最低点を見ていきます。
2020年度 前期入試
まずは前期から。
配点はWRコースが国語と算数が150点満点、理科と社会が100点満点の合計500点満点、
LAコースは四教科すべてが100点満点の合計400点満点です。
平均点 | 国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合計平均点 | 合格最低点 |
WR受験者 | 118.2/150 | 114.5/150 | 67.1 | 69.8 | 376.0/500 | 400.0/500 |
WR合格者 | 130.2/150 | 131.6/150 | 73.3 | 72.1 | 419.1/500 | 400.0/500 |
LA受験者 | 76.2 | 70.6 | 64.0 | 65.3 | 282.7/400 | 273.0/400 |
LA合格者 | 81.3 | 76.3 | 69.1 | 68.3 | 303.4/400 | 273.0/400 |
同志社女子中の問題は良問だと思っています。
クセも強くないですし、奇をてらった問題もほとんどありません。男子でも同女の過去問を問題集がわりに使うのはアリだと思いますよ。受験はできませんが。
算数や理科の問題ですと、大問内の最後の問題はWRコースの受験者を意識した問題構成になっていることがありますので、LAコースを目指す受験生は解けなくてもOKです。基本問題・標準問題をしっかりとりましょう。
話が逸れましたので戻します。
やはり国語の平均点が高いですね。ここらあたりはさすが女子といったところでしょうか。
受験者平均で8割弱まできていますので、WRコース狙いですと国語と算数が得意なのは当たり前ということになります。
特徴として同女の国語は本文が長いです。今年度の問題は見ていませんが、2017年と2018年は説明文と物語文を合わせて12,000字を超える超長文でした。速く読んで理解する力が必要ですね。ちなみに同志社香里と比べると1.5倍くらいの量になります。
LAコース狙いだと、合格最低点は受験者平均より低いので、受験者の真ん中より上にいれば、今年度は合格でした。それほどハードルは高くないです。問題も難問はほとんどありませんので、ミスをしないことが最重要課題になります。
WRコースだと8割以上、LAコースだと7割を安定して取れるように準備しましょう。
2020年度 後期入試
次に後期。
配点は前期と同じくです。ただ後期は競争率が高く、競争が激化しますので、別の学校ぐらいに考えていたほうがいいかもしれませんね。
平均点 | 国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合計平均点 | 合格最低点 |
WR受験者 | 119.6/150 | 131.6/150 | 70.6 | 76.6 | 378.2/500 | 430.6/500 |
WR合格者 | 134.7/150 | 140.3/150 | 85.6 | 86.9 | 451.7/500 | 430.6/500 |
LA受験者 | 77.6 | 65.5 | 64.9 | 73.4 | 282.6/400 | 297.0/400 |
LA合格者 | 84.2 | 77.3 | 76.3 | 77.6 | 319.8/400 | 297.0/400 |
後期のWRコースを合格するレベルって、大学付属校を考えるレベルを超えているのではないかと思います。500点満点で合格最低点が430点以上って普通じゃないですよ(褒め言葉)。
8割5分超えてますから。問題レベルは高くないので、ミスは致命傷になります。
なかでも算数の平均点が恐ろしいことになっています。
LAコースも合格最低点がほぼ7割5分の297点です。
特に国語の平均点には震えますね。
レベルで言えば、前期のWRコースや同志社香里前期と同じくらいでしょうか。
いずれにしても後期は簡単ではないです。
問題レベルとの兼ね合いもありますが、はじめに申し上げた通り今年度はこれでも競争率的には「易化」してますから…。
まとめ
2020年度 同志社女子中学の入試をまとめます。
- 前期入試・後期入試ともに受験者数が前年比で減少。合格者数は増加。
- 前年度の受験者がかなり多かったので反動が出たか?2018年度に近い受験者数。
- 問題レベルがそれほど高くないので高得点争いになった。特に後期。
- 前期は競争率も低く、合格へのハードルも低かった。
- 後期も受験数は減少しているが、高得点争いが過酷。前年比では易化した。
- 後期WRコース狙いは、国語と算数が得意でないと話にならない。
昨年度の志願者数が凄かったので易化したように見えますが、例年に戻ったという感があります。
今年度のような傾向が続くような気もしますが、個人的に来年は難化すると見ています。
それでも前期LAコースは男子保護者からみれば羨ましい限りです。
同志社女子を受験できるのは女子の特権ですから、共学にこだわりがなければ、本当におすすめの学校です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。