関西大学北陽中学の入試結果が公表されましたので所感を綴ります。
入試日程は例年通り。
統一日の1/14AMに1次試験、1/14PMに2次A試験、1/15PMに2次B試験が行われました。
今年も1次試験の受験者数を増やして2年連続100名を超えてきました。
このままいけば、来年には150名を超えてくるかもしれませんね。
2次試験も結構な受験者数を集めています。
午前に関大系(一中、中等部)や同志社系を受験して、午後から関大北陽の二次試験というプランが多いようですね。
2022年度 受験者数・倍率
募集人数は1次・2次A・2次Bを合わせて男女で約105名です。
入試要項には「男女別定員は定めない」とありますので、関大一中と同じく成績上位者から性別に関係なく合格を出されているようです。
合格最低点も男女別にはなっていません。
今年の2023年入試の注目点はコレ!
1次試験を受験すれば、2次試験で10点が得点に加算されること。
かなりのインパクトです。
200点満点中の10点ですから全体の5%になります。
ボーダーが100〜120点ぐらいですので、結果を左右する点数だと感じています。
とはいえ、ナニガナンデモ関大北陽組には朗報です。
1次入試が残念だったとしても、2次Aで逆転合格が可能な加点制度だと思います。
学校側も熱望組には入学してほしいでしょうし、いい対応なのかもしれませんね。
昨年から1次入試で従来の3,4教科受験に加えて、2教科受験も可能となりました。
もしかしたら、コレも受験者の増加に関係しているのかもしれませんね。
1次入試について
形式:4教科型(国・算・理・社)・3教科型(国・算・理)・2教科型(国・算)から選択
①4教科型:得点そのまま
②3教科型:合計得点の1.2倍
③2教科型:合計得点の1.5倍
最も高い得点で判定されます。
4教科型なら①②③の中から最も高い点数、3教科型なら②③から高い方の点数で合否判定されます。
2次入試は2教科型(国・算)のみなので、特に説明の必要はないと思います。
単純に得点上位者から合格です。
では、志願者数・倍率がどうなったかを見ていきましょう。
( )内の数字は前年比です。
募集人数 男女105名 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 |
1次 | 144(+18) | 137(+18) | 57(+3) | 2.4倍(+0.2) |
2次A | 579(+42) | 565(+48) | 269(–21) | 2.1倍(+0.3) |
2次B | 369(+16) | 311(+23) | 99(-44) | 3.1倍(+1.1) |
結論から言うと、今年もすべての入試日程で難化しました。
2年連続で伸びてますので、厳しい戦いです。
一つずつ見ていきます。
1次試験
前年もなかなかの増加でしたが、今年も志願者を伸ばしてきました。
個人的には「揺り戻し」で、今年は落ち着く年と予想していたので、面食らってしまいました。
受験者数の推移は、
92名(2021年)→126名(2022年)→144名(2023年)
2年前からは1.5倍強です。
そりゃR4も上がりますよね。
何が原因なのかな?
2教科受験が採用されたことなのでしょうか。
前年などは関大への進学率もそれほど良くありませんでした。
今年は良かったようですが。
競争率で実質2.4倍。
2.5倍に近づいてくると、キツイんですよね。
例年の同志社香里なみの競争率になりました。
関関同立系中学の中では併願校のイメージが強かった関大北陽ですが、もうそんなのんきなことを言ってられなくなってきたのではないでしょうか?
2次A試験
受験者数は前年から48名増で565名。絶好調です。
しかし、今年もさらに合格者数を21名も減らしてきました。
その影響で実質倍率はついに2倍を超えてきましたね。
5,6年前は1.2倍ぐらいの年もあったんですがね。
うん、感慨深い。
R4でも関大一中と同じ43,44ですから、もうここまで来ると安全校ではありません。
関大中等部前期がR4で42ですから、どっちが併願校かわからないくらいです。
統一日は午前午後のどちらかで安全校を受験して、合格をまず一つ確実に手にしたいところです。
しかし「午前:一中・中等部」→「午後:北陽」のよくある関大系の統一日受験プランはリスクのあるプランになってしまいました。
「午前:同志社系」→「午後:北陽」も油断してると危ないくらいです。
来年の競争率はわかりませんが、よく受験プランを練る必要がありそうですね。
2次B試験
統一日の翌日午後に北陽で行われる3回目の入試になります。
今年も若干ですが受験者数が増加しました。
ところが合格者をかなり減らしてきましたので、実質倍率が跳ね上がっています。
少し難しくなりすぎましたね。
おそらく1次や2次Aとは違う層でないと、合格は難しいと思います。
ここで合格する力があれば、同志社系でもいい勝負ができそうなレベルです。
合格者数を随分減らしました。
1/10が入学するという予測のようです。
この試験に合格して入学する生徒って、毎年10名以下なんですよね。
少ないときで4名の年もありましたので。
かなり持ち偏差値に余裕がある場合は、入学金の振込日に余裕があり、他校の結果を待てるというメリットがあります。
ただし、個人的には調子の悪いときでもR4で50を下回らないレベルが必要と感じています。
2022年度 平均点・合格最低点
次に受験者の平均点と合格最低点を見ていきます。
と、思ったのですがなぜか今年も平均点は公表されませんでした。
他の関大系中学は公表しているのに、なぜなんだ?
まぁ私がブログネタのために望んでいるだけなんですがw
受験者平均がわかりませんので、合格最低点のみからの考察になってしまいます。
どこかのタイミングで判明しましたら更新します。
また情報をお持ちの方がいらっしゃれば、いただけると非常に助かります。以前とは違って、感染症のせいで気軽に説明会などに参加できる状況ではないので情報が不足しています。
とりあえず、書ける範囲で進めますね。
一次の配点は国・算が各100点満点、理科・社会が50点満点の合計300点満点です。
三教科型の受験なら国・算・理の合計点が1.2倍になります。
二教科型ですと国・算の合計点を1.5倍します。
二次はA・Bともに2教科、各100点満点での受験です。
ちなみに試験時間は、国語・算数が50分、理科・社会は40分です。
受験者平均点 | 合格最低点 | |
1次 | 現在不明/300 | 167(+12)/300 |
2次A | 現在不明/200 | 106(+6)/200 |
2次B | 現在不明/200 | 117(-19)/200 |
1次試験は合格最低点が12点高くなりました。
平均点がわからないので問題レベルが易化してるとはいいきれません。
競争率も上がってますので、それほど変わってないように思いますが。
それでも得点率6割を取れるような準備が必要だと感じました。
2次A試験も合格最低点が6点アップ。
一見、得点率5割ちょっとと考えれば、簡単そうに見えますがそうでもありません。
前年はかなり難しい問題だったようですが、今年も実質倍率を考慮すると同レベルの難度だったと予想されます。
今後も問題レベルが極端に易化することは予想しづらいので、前年・今年の問題レベルで6割を目標にするのがいいのではないでしょうか。
逆に2次B試験は合格最低点がかなり下がりました。
前年が跳ね上がったので、問題レベルを調整したように見えます。
加えて、実質倍率が2.0→3.1倍と考えると、かなり難度を上げてきたように感じます。
もともと少し上のレベルの子が合格していくイメージがあって、今年は6割で合格できましたが、年度によっては厳しいでしょう。
併願校として安全を考えると、7割を目標にすることになると感じます。
まとめ
2023年度 関大北陽中の入試をまとめます。
- 受験者数:1次は今年も増加。確実に人気が出てきた。
- 2次A・2次Bも増加、実質倍率を見ると厳しくなってきた。
- 1次を受けると、2次で10点の加点。逆転合格に現実味が出てきた。
- 問題レベルは実質倍率を考慮すると、前年と同レベルと思われる。
- 2次の受験者が増加したにもかかわらず、合格者数をかなり減らしてきた。
- 二次Bのみの受験はかなり余裕を持ってないとリスクあり。
ここ2年でかなりレベルが上がったと感じています。
同志社系や他の関大系中学の併願校として、軽く見ていると痛い目に会いそうです。
2次試験のレベルアップにより、受験プランはますます難しくなるでしょう。
あまり押せ押せで行き過ぎないように注意しましょう。
第一志望の受験生にとっては、徐々にですが難化していますので、一次試験で常に6割は取れる力を養っておきましょう。国語・算数が得意なら、10点の加点もありますので二次Aでも十分戦えます。
多くの受験生が二次を受験されると思いますが、少しでも入学の意志があるなら、二次Aで合格をもらっておかないと予定がくるかもしれません。
それくらい2次Bの難度・競争率の上がり方がヤバいです。
持ち偏差値にかなり余裕があるなら、捨てることになるかもしれない入学金のことを考えて、入金期日に余裕のある二次Bのみ受験の選択もアリといったところでしょうか。
いずれにしても、かなり勢いのある学校になってきましたので来年も警戒が必要です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。