関西大学北陽中学の入試結果が公表されましたので考察します。
2020/2/18午前に一次試験、2/18午後に二次A試験、2/19午後に二次B試験が行われました。
一次試験の受験者数も少しずつ増えてきていますが、まだまだ二次AかBで受験される割合が高いですね。
午前に関大系(一中、中等部)や同志社系を受験されて、午後から関大北陽の二次試験というのがお決まりのパターンでしょうか。
2020年度 受験者数・倍率
募集人数は一次・二次A・二次Bを合わせて男女で約105名です。
入試要項には「男女別定員は定めない」とありますので、関大一中と同じく成績上位者から性別に関係なく合格を出されているようです。
例年、入学者は2/3が男子、女子は1/3ぐらいですね。
受験形式は一次のみ「4教科型」と「3教科型(国語・算数・理科)」があり、3教科型は合計得点の1.2倍が得点(持ち点)になります。
4教科型は「上記3教科合計の1.2倍」と「4教科合計」の高いほうが総合点となります。
二次は2教科で国語・算数が受験科目になります。
では、志願者数・倍率がどうなったかを見ていきましょう。
( )内の数字は前年比です。
募集人数 男女105名 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 |
一次 | 96(+5) | 88(+5) | 49(±0) | 1.8倍(+0.1) |
二次A | 483(−6) | 473(−13) | 298(−4) | 1.6倍(±0) |
二次B | 348(+97) | 294(+90) | 149(+24) | 2.0倍(+0.4) |
受験者数から見ていきます。
前年比で一次・二次Aはさほど変わらず、二次Bの受験者数が90名増えました。
前年の二次Bの受験者が少なかったので反動でしょうか。
一次は毎年わずかではありますが、志願者数を増やしています。来年度は100人を超えるかもしれません。少しずつですが人気が出てきています。
二次Aも受験者数は毎年500人弱でおおむね安定していますね。
ここまでなら合格のハードルはそれほど高くありません。
ただ、二次Bだけは年度により変動が激しいので注意が必要です。
関大一中を合格する受験生でも約半数は合格できないそうです。
今年は実質倍率で2.0倍。合格者を例年より多めに出したので、予想より競争率は上がりませんでした。
ちなみに2019年は1.61倍で易しかったといえます。しかし、2018年は合格者を絞ったこともあり、2.99倍の激戦でした。
とはいえ、二次Bを合格して入学する生徒は一桁ぐらいしかいないんですよね。
二次Bを合格するなら一次や二次Aですでに合格しているでしょうし、関大北陽を二次Bだけ受ける層って、どういった併願プランを組まれているのか興味深いです。
平均点・合格最低点
次に受験者の平均点と合格最低点を見ていきます。
各教科の平均点もあわせて見ていきたいのですが、まだ公表されていませんので判明しましたら追記します。
一次の配点は国・算が各100点満点、理科・社会が50点満点の合計300点満点です。
三教科型の受験ですと、国・算・理の合計点が1.2倍になります。
二次はA・Bともに2教科、各100点満点での受験です。
ちなみに試験時間は、国語・算数が50分、理科・社会は40分です。
合計平均点 | 合格最低点 | |
一次 | 147.8(−11.7)/300 | 145(−15)/300 |
二次A | 108.5(−10.0)/200 | 115(−2)/200 |
二次B | 100.6(−19.0)/200 | 103(−16)/200 |
今年度の入試問題を見ていませんのでなんとも言えませんが、平均点・合格最低点が軒並み下がっています。受験者のレベルが今年度だけ急に下がるとは思えませんし、問題レベルを上げてきたと考えられますね。
一次は得点5割で合格、二次Aは6割弱、二次Bは5割強が必要です。
過去の傾向からは受験者平均点と合格最低点が近いことが多いのですが、今年度の二次Aは乖離しています。実質倍率が1.6倍で合格最低点が受験者平均より6.5点も高いということは、とんでもなく点が取れない生徒がある程度いたのでしょうか。ちょっと謎ですね。
問題レベルで言えば、例年「二次B>二次A>>一次」ぐらいですが、今年度は「二次B>>>二次A>>一次」だったようです。
二次Bを受験する層の平均点が5割とは、にわかに信じがたいです。よほど問題が難しかったのだと思います。
まとめ
2020年度 関大北陽中の入試をまとめます。
- 受験者数は一次・二次Aが横ばい、二次Bがかなりの増加。
- 実質倍率も二次Bは上がったが、合格を多めに出したので2.0倍におさまった。
- 問題レベルは全方式で難化した。
- 受験者平均付近が合格最低点になる傾向にあったが二次Aは乖離した。
- 一次・二次Aの合格ハードルはそれほど高くない。
- 二次Bのみの受験はかなり余裕を持ってないとリスクあり。
阪急沿線で立地も良く、関西大学の併設校となれば、もっと人気が出るのかなと思ってましたが、それほどでもありません。関関同立系の併願校として、また受験勉強を始めるのが遅れた受験生にもチャンスのある学校かと思います。
第一志望の受験生にとっては、徐々にですが難化していますので、一次試験で6割を取れる力を養っておいたほうがいいでしょう。国語・算数が得意なら二次Aでも戦えます。
多くの受験生が二次を受験されると思いますが、少しでも入学の意志があるなら、二次Aで合格をもらっておくのが得策です。
来年度はどうでしょうか?
単純予想ですと一次、二次Aは例年並、二次Bの受験者数は減少(易化)すると思います。今年度の二次Bの出願者数はここ数年ではもっとも多かったので、来年度は300名前後に減少するのではないでしょうか…。(本気にしないで、聞き流してくださいね)。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。