入試日程が変更になって3度目の関学中学部の入試結果が公表されましたので考察します。
今の受験生にとっては、もうこちらがスタンダードになってますかね。
2022年1月15日(A日程)18日(B日程)に行われました。
ここ数年、女子には厳しい入試が続いていますが、今年度はどうなったのでしょうか?来年以降の参考になれば幸いです。
2022年度 A日程 受験者数・倍率
今年はこの時点で受験者数が公表されています。
関学中学部は入試日程変更以来、情報開示が迅速かつ、とても丁寧になった印象を受けます。
外部へ対して素晴らしい改善です。
それでは見ていきましょう。
前期 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
男子(65名) | 213(+11) | 206(+23) | 78(±0) | 2.6(+0.3) |
女子(35名) | 126(-7) | 120(-5) | 45(-1) | 2.7(±0) |
A日程男子の受験者数は欠席者も少なく前回比で+23名。約1割増えました。
競争率において、女子に近い倍率まで上がりましたね。
今年の男子は厳しい戦いだったのではないでしょうか。
女子の受験者数は入試日程変更初年度の一昨年が激増、昨年が敬遠された感じで減少。今年はそれを維持した形になりました。ひとまず落ち着いた感がありますね。
このあたりが基準になっていきそうな気がします。
数字だけを見ると、男2.6倍・女2.7倍。とてもバランスがよく見えます。
だがしかし、統一日午前で実質2.5倍を超えるとかなり厳しい入試になります。
同志社系の中学よりも競争率は高いですから。
兵庫の名門校なので仕方のないことですが…。
2022年度 B日程 受験者数・倍率
B日程は今年度が3度目。
傾向は見えてきたような気がしますが、やはり統一日から4日目かつ募集人数が少ないこともあり、実質倍率は少しの変動で上下します。
B日程 募集人数 | 出願者数 | 志願者数 ※ | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
男子(25名) | 330(+11) | 257(+14) | 203(+29) | 42(-2) | 4.8(+0.8) |
女子(15名) | 216(+8) | 171(+4) | 136(+5) | 36(+6) | 3.8(-0.6) |
数字だけ見ると男子の競争率が跳ね上がり、女子の競争率がかなり下がったように見えます。
しかし実際のところ難易度は数字ほど変わっていないように感じます。
募集人数・合格者数が少ないので受験者数と合格者数が少し増えると、こういった数値の変動につながります。あいかわらず厳しい戦いであることには変わりありません。
とはいえ、前期と同じく入試の傾向としては安定してきたように思えます。
来年以降も油断なきよう積み上げて挑みましょう。
次に受験者の平均点と合格最低点を見ていきます。
残念ですが合格者平均は公表されていません。
2022年度 A日程入試 平均点・合格最低点
まずはA日程から。
配点は国語と算数が200点満点、理科が100点満点の500点満点です。
( )内の数字は前年比です。
平均点 | 国語(200) | 算数(200) | 理科(100) | 合計(500) | 合格最低点 |
受験者男子 | 138(+3) | 128(-14) | 65(+6) | 331(-5) | 354(-4) |
受験者女子 | 151(+3) | 128(-22) | 65(+5) | 344(-15) | 369(-16) |
前年の算数は少し易しめだったので、難度を戻したようですね。他は特に目立った数値ではありません。毎年思うのですが、関学の作問能力には感心します(特にA日程)。平均点を狙ったところに着地させている印象がとても強いです。
競争率が上がったからでしょうが、今年は男子が健闘しました。毎年、女子に結構な差で完封されるのが普通でしたが、今年は算数と理科でドローに持ち込みました。
とはいえ、合格最低点になると話が変わってきます。女子は男子より+15点が必要です。これは募集人数が違いますので仕方ありません。言葉は濁しますが、このご時世的にはどうなんでしょうかね?私学ですし好きにすればいいのかもしれませんが。
それでもやはりレベルは高くて得点率7割だと合格できないんですよね。厳しいなぁ。
7割を超えてくるとミスが致命傷になりかねないので、重々ご注意ください。
2022年度 B日程入試 平均点・合格最低点
次にB日程。
国語・算数の二科目受験です。配点はA日程と同じく国語と算数が各200点満点。
ですが、A日程と帰国生入試を受験した者には10点がプラスされるので410点満点になります。
平均点 | 国語(200) | 算数(200) | 合計(410) | 合格最低点 |
受験者男子 | 125(-4) | 116(-16) | 246(-20) | 287(-20) |
受験者女子 | 142(-3) | 119(-19) | 266(-23) | 304(-24) |
前年と難易度を比較すると、国語は前年並で算数が難化しました。
それにしても国語は女子が強いですね。平均で17点差と水をあけました。国語の差がそのまま合格最低点の差となっています。
合格最低点が20点近く下がったとはいえ、算数の問題レベルが上った分でしょうから入試のレベルや受験生のレベルは前年並と考えてよさそうです。
それでも女子が合格を勝ち取るには得点率75%が必要です。このレベルで7割5分を取れるって本当に凄いと思います。
私が当事者なら受験させるのにちょっと躊躇しますね。
そこに挑む受験生と保護者様をリスペクトしてます。
まとめ
2022年度 関西学院中学部の入試をまとめます。
- 志願者数:A日程で男子が約1割増加、女子は前年並で落ち着いた感あり。
- 志願者数:B日程も男子が増加、女子は前年並。
- A日程の算数が難化。
- B日程の算数も難化。
- A日程の合格最低点において男女差が縮まる。
- B日程:男子の実質競争率は上がり、女子は下がった(女子の合格者が前年比で多め)。
- それでも女子のB日程はかなりレベルの高い争い。
来年以降、関学中学部を志望校とする受験生のみなさま。
入試変更から3回目で傾向も安定した印象です。しかし高いレベルが要求されることは変わりません。加えて得点率も高いのでミスもできません。どうぞミスを防ぐ対策も万全に練って挑んでください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント