関西大学第一中学の入試結果がようやく公表されましたので考察します。
2021年1月16日に行われました。関大一中は統一日午前のみの一発勝負です。後期試験や二次試験はありません。そのため第一志望として受験する受験生がほとんどです。
2021年度 受験者数・倍率
募集人数は例年通り約240名。
志願者数、合格者数は男女別に公表されていますが、合格は男女の区別なく成績上位者から合格を出していくシンプルなスタイルです。
合格最低点さえ超えれば性別は関係ありません。指標は一つなので、それを超えるだけ。
トータルの出願者数と競争率だけ気にしていればいいです。
受験形式は「2教科型(国語・算数)」と「4教科型」があります。4教科型は「(国語+算数)✕2」の点数が高ければ、そちらが得点となります。
では、志願者数・倍率がどうなったかを見ていきましょう。
実際の受験者数が公表されていませんので、実質倍率を出すことはできません。
( )内の数字は前年比です。
志願者 | 合格者 | 倍率 | |
4教科型 男 | 165(+2) | 95(+7) | ーーー |
4教科型 女 | 140(+8) | 87(+9) | ーーー |
2教科型 男 | 93(−5) | 32(−16) | ーーー |
2教科型 女 | 95(+15) | 36(+1) | ーーー |
合計 | 493(+20) | 250(+1) | 2.0(±0.1) |
以前は、男子の志願者数が多い傾向でしたが、最近は女子の志願者が増えて二科受験では男子を2名ですが上回りました。全体で見ても志願者における男女差は少なくなってきています。
今年度は受験者数全体でで20名の増加。倍率も四捨五入で2.0倍となり、合格者数は昨年と同数なので若干厳しい入試になりましたね。
目についたのは、男子2教科受験の合格者が苦戦したところですね。大きく合格者を減らしています。
国語が難しかったのでしょうか。女子の2教科合格者数は変わっていません。
個人的な印象ですが、国語が苦手な受験生は圧倒的に男子に多いように感じています。
合格者数も一昨年までは約260名ほど出していましたが、昨年からは約250名となっており、辞退者が10名ほどだろういう強気な姿勢が続いています。
平均点・合格最低点
次に受験者の平均点と合格最低点を見ていきます。
昨年までは男女別に平均点を発表されていましたが、今年からは男女区別なしの集計となっています。
男女別に募集をしていないので当然といえば当然なのですが、前年比を集計している私にとっては面倒なことになりました。国語は男女で差がついていましたので。
初の試みなので参考になるかは微妙ですが、前年比は前年の男女平均との比較と考えてください。
国・算・理・社、各100点満点凸凹なしのフラットな配点です。
算数や国語が苦手でも理科・社会で挽回可能な配点です。4教科型のほうがカバーできるので有利かと思いますが、算国が得意であれば2教科型でもOKですし、受験準備が遅れた受験生でも2教科なら十分間に合います。
( )内の数字は前年比です。
| 国語 | 算数 | 理科 | 社会 | 合計 | 合格最低点 |
4教科型 | 63(−6) | 68(−5.5) | 60(−4.5) | 81(+15.5) | 272(−1.5) | 269(−18) |
2教科型 | 60(−7) | 65(−8.5) | ーーー | ーーー | 125✕2(+1) | 269(−18) |
四教科型
昨年は算数が易化しましたが、今年の場合は社会でした。それも受験者平均が8割を超えるという信じられない設定です。合格者平均ではありません!!
算数に関しては昨年が易化してましたので戻した感じ。国語と理科は二年連続で難化、意図的に問題レベルを上げてきている感があります。
二年ほど前までは各教科とも受験者平均が7割を超えることも多かったのですが、高得点争いになりすぎたのを見直したいのか、平均点を6割5分あたりに落としたいような意図を感じます。
ということは、受験生のレベルが下がらないことには必然的に問題レベルを上げるということになります。今後、過去問を解く際には今年の過去問レベルを意識したほうが良いかもしれません(社会を除く)。その年度の平均点を意識して過去問対策に取り組みましょう。
関大一中の場合、受験者平均を上まわれば、ほぼ合格できますので平均点+5点を目指しましょう。
今年は、国・算・理が難しくなった分を社会でカバーするという入試になりました。4教科をがんばってきた受験生が報われた入試だったのではないでしょうか。
二教科型
今年に限っては二教科型の受験生は気の毒だったと言わざるを得ません。繰り返しになりますが、今年は、国・算・理が難化しました。社会が大幅に易化しましたが社会を受験していない二教科型が四教科型の受験生を上まわるのは厳しかったのではないかと…。
どちらが有利だったかは入試が終わってみなければわかりませんが、関大一中に限っては四教科型が有利な傾向があります。
6年生になってから受験することを決めたとかでなければ、四教科をバランスよく勉強して受験することをおすすめします。
まとめ
2021年度 関大一中の入試をまとめます。
- 前年比で受験者数が増加、合格者数は横ばい。単純に競争率アップ。
- 前年に続いて、男子の出願は減少傾向、女子は増加傾向。
- 問題レベルの難化により、合格最低点は18点も下がる。
- 社会のみ驚くほど易化、他3教科は難化。
- 受験者平均を意識しつつ、過去問対策に取り組む。
来年以降、関大一中を志望校とする受験生のみなさま。
関大一中は長い歴史を持つ伝統校でもありますし、そう簡単に人気は衰えません。
ここ最近、問題レベルを上げているように感じます。合格最低点が下がったからといって油断してはいけません。他の受験者(平均)よりも「プラス1,2問を取る大切さ」を意識するようにしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。