【TEST CONCOURS】五ツ木駸々堂まとめ冊子を活用しよう!

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いよいよ秋になりました。
今回は五ツ木模試で成績表に同封されているまとめ冊子「TEXT CONCOURS」について書いていきます。コレなかなか有用ですよ。

五ツ木駸々堂中学進学学力テスト会とは?

関西で中学受験するご家庭ならご存知かと。
ゴリゴリの最難関層はあまり受けてなく、中堅層が多く受けている模試です。
保護者世代なら高校受験の「五ツ木模試」の方がなじみがあるのではないでしょうか。

↓詳しくはこちらの記事を読んでください。

TEST CONCOURS

成績表と一緒に入っているコレです

TEST CONCOURS?フランス語?
「テストのまとめ」とかでいいのに、なんでこんな仰々しいタイトルをつけるのでしょうか?
初見では駅などの「コンコース」かと思ってました。「コンクール」のようです。
まあ、そんなことはどうでもいいんです。

この「まとめ冊子」ですが、いろんなデータが詰まってておもしろいですし、他の受験生の動向なんかもわかるので有用ですよ。

受験生は志望校として2校しか書けませんが、この冊子を見れば各校何人が志望したかがわかります。
同一試験日でも2校書ける(ex.同志社中と関大一中など)ので正確ではないですが、参考にはなります。

どこを見るのか?

10ページ目から始まる「志望校別偏差値別順位表」を見てください。
ここ以外は、それほど重要ではありません。
左から志願者数が多い学校順に並んでいるのですが、どのカテゴリーも大学付属系、主に関関同立(+近大附属)の志望者数が多いことがわかると思います。

以前の記事で「大学付属系を狙うなら五ツ木模試は有用」と書きました。
大学付属系を狙う受験生が多く集まる模試での順位は非常に重要なデータと言えるでしょう。

サンプル校:同志社香里中学

1校を例にあげて見ていきます。同志社香里関連の記事にアクセスが集まりやすいのでサンプルとさせてもらいます。
ちなみにウチの子も香里生です。「証拠だせ!」とか言われるとアレなので、一応貼っておきます。

※2021/5/21 合格通知書の画像は削除しました

順位表の見方

見づらくてすみません

画像は志望者数が一番多かった特別回のもので、男子137人・女子144人(画像下部の青マーカー)が志望校としています。

五ツ木駸々堂によると、同志社香里前期の目標偏差値(2019)は[59]でした。

判定は[59]で「C」です。ちなみに[60]でも「C」です。
偏差値60って全受験生の上位16%ぐらいですよ?
そこまで要求します?って感じです。

参考までに、他の判定に必要な偏差値は下記の通りです。

A:63以上
B:61,62
C:58〜60
D:55〜57
E:53,54
F:52以下

では、目標偏差値59だと順位はどれくらいでしょうか?
画像内の赤マーカー部59を見てください。そのまま右に目を移すと、

◇目標偏差値である59の場合は?
男子:26位/137人(上位18.9%)
女子:28位/144人(上位19.4%)

これかなり上位ですよ。それで「C判定」です。

◇偏差値55の場合は?
男子:53位/137人(上位38.6%)
女子:53位/144人(上位36.8%)

これで志願者数内で上位40%以内。判定はギリギリ「D」です。
あと0.1ポイントでも落とせば「E」になります。

◇偏差値50の場合は?
男子:85位/137人(上位62.0%)
女子:84位/144人(上位58.3.%)

男女それぞれ約105人ずつ合格者を出すから85位ならイケるかも!?
と、思うかもしれませんが実際はかなり厳しいです。
というのも、大手の塾生はこのテストを受けていないことが多いですし、本番ではあと倍ぐらいの人数が受験しますので。

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考察してみる

以前の記事「五ツ木模試の判定は理解してないと凹む」と書いたのは、こういう理由からです。

実際、この模試で「A」か「B」判定をとったのは下記の通りわずかです。

◇偏差値61以上
男子:13人/137人(上位9.4%)
女子:15人/144人(上位10.4%)

ウチもB以上なんて取ったことなかったです。
Cが3回、Dが3回、6年生序盤にFも1回ありましたよw
塾模試の判定は、秋以降はA,Bが多かったですが。

ですから、香里の中でトップグループにいたいとかでなければ、A判定やB判定に固執する必要はありません。ただ、大手塾の「浜学園」や「馬渕教室」の塾生はほぼ受けていません。日能研のNバッグはよく見かけましたけど、規模のわりに少ない印象です。

大手塾だからといって、全員が優秀で上位を独占するわけでもありませんし、焦る必要もありません。最後はC,D判定の受験生が大部分を占める同レベルでの争いになりますので、「あと100人ぐらいが志望してくるんだな」程度に思っておけばいいです。

◇直近2020年の受験者数
男子受験者:242人 特別回での香里志願者:137人(約57%)
女子受験者:220人 特別回での香里志願者:144人(約65%)

同志社香里の前期入試は男子女子それぞれ95人募集で約105名の合格者を出します。
五ツ木模試の志望校は2校書けるので、ざっくり本番の入試受験者の半数以上が特別会を受験しているぐらいの目安にはなります。

まとめ

ザックリした感じになってしまいましたが、まとめます。

・五ツ木模試のまとめ冊子「TEXT CONCOURS」は有益なデータ集である。
・今回は同志社香里を例にあげたが、自身の志望校に当てはめてみてほしい。
・二次試験や後期入試、志願者が少ない学校だとあまり参考にならない。
・上位30%以内を目標にがんばろう。

体感的には下の通りです(五ツ木模試の志望校順位で)。
上位10%以内:多少ミスしても大丈夫
上位20%以内:よほどのことがなければ大丈夫
上位30%以内:かなり可能性が高い
上位40%以内:実力を出しきれば、十分戦える
上位50%以内:五ツ木が苦手で過去問との相性がよければチャンスあり

個別相談で、同志社香里の先生と話した時に「ウチに入学してくる生徒は五ツ木模試でいうと55〜60の生徒がほとんどの印象で、相談に来られるのもこの偏差値帯がほとんど」と仰ってました。

ですから55のD判定でも全然戦えますよ(1回のテストじゃなく秋以降の平均)。
実際、ウチの子の友達もこの偏差値帯ばかりです。学年に数人は突き抜けた存在がいますが。

念の為ですが、54以下もダメじゃないですよ。
2,3年前の「塾向けの五ツ木模試詳細資料※1」では偏差値52までは「不合格者より合格者のほうが多かった」です。今はもう少し上がっているかもしれませんので、気になる方は塾に訊いてみてください。

※1
電話帳のようなゴツい本。各偏差値で何人が合格して、何人が不合格だったかが載っている
例えば、五ツ木偏差値52の生徒8人が受験したとして、その受験結果が「合格:5人、不合格:3人」みたいな感じで学校別に載っている。
当然、偏差値が高ければ合格者が増え、不合格者は減る。合格者数と不合格者数が入れ替わる分岐点がわかる。この偏差値を下回ると不合格者が増えるんだなと。


香里に限らず、この偏差値帯の学校はクセの強い問題は少なく、基本・標準問題がほとんどです。導入文に多少クセの強い学校はありますが、問われている本質にそれほど差異はないのかなと。たしかに相性もありますし、偏差値がすべてではありませんが皆が同じ時間に同じ問題を解くという状況では、その結果を現時点での立ち位置として受け止めなければなりません。そして何が必要か?」を考えればいいのです。

すべてはデータであり、可能性の話です。絶対はありません。
ですから少しでも可能性をあげる努力し、対策を立てましょう。

今月末はいよいよ特別回です。模試もプレテストも佳境に入ります。
コロナ禍で今年度の受験生は本当に大変だと思います。例年より気を遣うことも多いですし、ストレスもハンパないですよね。

来年からの中学生活をイメージしつつ、今は積み上げましょう。
本番までは約3ヶ月ですが、体感的にはあっという間です。
肌寒くなってきますので、体調にだけは気をつけてください。

私はいつでも応援しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。