関西大学中等部の入試結果が公表されましたので所感を記します。
2021年1月16日(前期)18日(後期)に新型コロナウイルス感染症に対応する形でいろいろな対策を施された行われました。
受験生にとって今年は当たりの年だったように思います。
昨年は考察できてなかったので、今年はやってみようと思います。
2021年度 受験者数・倍率
募集人数は前期で約60名、後期は約10名を合わせて男女で約70名です。
2クラス分ですかね。
入試要項には男女別の定員に関する記述がないので、関大一中と同じく成績上位者から性別に関係なく合格を出していると考えていいように思います。合格最低点も男女別にはなっていません。
関大一中と関大北陽も男女に関する記述がありませんので、関大系の共通した方針なのかもしれませんね。個人的には試験結果だけで上から合格というのはわかりやすくて好感が持てます。
受験形式は「4教科型」と「3教科型」があり、3教科型は合計得点の4/3倍が得点(持ち点)になり、「3教科型」には「算国理」「算国社」のどちらでもOKなので理科が苦手な受験生にはチャンスですね。教科の配点は異なりますが同志社香里に近いパターンです。
では、志願者数・倍率がどうなったかを見ていきましょう。
男女別々に公表されていますが、男女別に合格が出されているわけではなさそうなので合算でいきます。受験者数・合格者とも男女どちらかに偏っているわけでもわりません。
( )内の数字は前年比です。
募集人数 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 |
前期(男女 60名) | 105(−29) | 87(−33) | 62(±0) | 1.4倍(−0.5) |
後期(男女 10名) | 225(−59) | 148(−48) | 64(+2) | 2.3倍(−0.8) |
受験者数から見ていきます。
前年の志願者が多かったとはいえ、今年は結構な落ち込みでした。しかも統一日なのに欠席者も率にすると高めです。募集人数が少ない上に出願状況の途中発表もありませんし、予想しづらいんですよね。
私なら本命校だったとしても他校とダブル出願して様子を見ます。ちょっとしたことで競争率のアップダウンが激しい学校だということは覚えておいたほうがいいかもしれません。
そういう意味で今年の受験生にとっては前期後期ともに当たりの年だったのではないでしょうか。
前年比で倍率が大きく下がって1.4倍。平均点までも取る必要がない状況です。中等部を目指していた受験生には良い年でしたね。
2021年度 前期入試 平均点・合格最低点
次に受験者の平均点と合格最低点を見ていきます。
こちらも男女別に公表されています。数字を見ると今年は女子受験生のほうが若干優秀なようです。
では、前期から。
男子 | 女子 | 受験者平均点 | |
国語 | 56.5(+0.1) | 63.7(+4.6) | 60.0(+2.3) |
算数 | 56.7(−2.0) | 56.7(+6.3) | 56.7(+1.9) |
理科 | 63.3(−1.2) | 65.4(±0) | 64.4(−0.9) |
社会 | 68.0(+3.2) | 74.1(+13.6) | 71.3(+8.4) |
合計 | 237.2(−3.0) | 251.5(+19.1) | 244.1(+7.7)/400 |
合格最低点 | 232.0(−7.0) | 232.0(−7.0) |
入試問題を見ていませんのでなんとも言えませんが、男子は前年とさほど変わらず、女子が平均を引き上げています。ちなみに前年は男子のほうが平均で8点ほど高かったです。
問題レベルとしては、ほとんど同じか若干易化しているのかもしれません。男子はそうでもありませんが、女子における算数・社会の平均点の跳ね上がり方が異常です。今年の女子受験者が優秀だったのではないでしょうか。
合格最低点は前年から−8.2点。受験者数が減った分、合格最低点も下がった印象です。
昨年の合格最低点は239点でした。ここ最近ですと、前期に関しては過去問で250/400を得点できるように積み上げればよさそうですね。
2021年度 後期入試 平均点・合格最低点
最後に後期入試の受験者の平均点と合格最低点を見ていきます。
募集は約10名、合格者は64名で前期と同じくらい出しています。6人に1人が入学でしょうか。
正直どんな層が受験しているのかわかりません。後期は関大一中より難しく、同志社香里後期と同レベルです。立地的に立命館中学前期から関大中等部後期などでしょうか。
男子 | 女子 | 受験者平均点 | |
国語 | 58.7(−10.3) | 65.1(−9.8) | 61.7(−10.7) |
算数 | 71.4(+6.2) | 69.9(+7.7) | 70.7(+6.9) |
理科 | 67.6(+0.8) | 65.5(−4.8) | 66.6(−1.9) |
社会 | 69.9(−2.6) | 73.9(+4.2) | 71.7(+0.4) |
合計 | 264.6(−5.7) | 272.1(−4.1) | 268.1(−5.0)/400 |
合格最低点 | 281.0(−11.0) | 281.0(−11.0) |
こちらも女子の国語・社会の強さが目立ちます。とはいえ、国語は難化したようで平均点は前年比10点ほど下がっています。総合的には合格最低点で前年比−11点。受験者数減にともなった感があります。
易化したように見えますが、それでも後期合格には得点率で7割が必要。そう考えると300点を得点できる力が必要になってきます。第一志望でしたら、当たり前かもしれませんが前期で決めてしまえる準備をしておきましょう。
募集人数も少なく、前期試験でさえ志願者数を読みにくい学校ですから、後期試験なんてカオスです。蓋を開けてみないと何が起こるかわかりません。結果的に今年はラッキーな年でしたが、このパターンですと来年は競争率が上がりそうです。
まとめ
2021年度 関大中等部の入試をまとめます。
- 受験者数は前期・後期ともにかなり減少(揺り戻し?)。
- 前期入試は平均点をとれば合格だった。
- 後期は競争率が下がったとはいえ、7割の得点が必要。
- 前期後期とも社会が得点しやすかった。算国理の3科受験は若干不利だった。
- あいかわらず競争率は予想しづらい。
- 前期はそれほどハードルは高くないので初日全力が吉。
- 後期のみの受験はかなり余裕を持ってないとリスクあり。
JR・阪急沿線で立地も良く、校舎も初等部、高等部、大学と一体となっておりビルのよう。設備も素晴らしく初めて訪れたときは圧倒されました。その分、学費もハンパないです(笑)。給食がありますので仕事を持たれているお母さんはお弁当づくり不要なので良いかもしれませんね。
1年ごとに難化易化を繰り返している印象ですが、油断なりませんので塾をうまく利用して情報収集を怠らないようにしてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。